白水社が主催する『第55回岸田國士戯曲賞』を、松井周の『自慢の息子』が受賞したことがわかった。
『自慢の息子』は、松井が主宰する劇団「サンプル」が昨年9月に上演した作品。松井はこれまでに『家族の肖像』『あの人の世界』で岸田國士戯曲賞の候補にあがっており、受賞作品は3度目の最終候補作だった。
選考委員の岩松了は「人生のあっけなさを描いて出色である。母と息子の関係を中心に描かれているが、世界を見るその独自な視線は、性的な香りをかもし出す。時に乱暴で無造作な場面転換などは、演劇そのものに作者が思いを馳せていることの証しだ。」とコメントしている。
今年の候補作品には、赤堀雅秋、江本純子、竹内佑、田村孝裕、中津留章仁、ノゾエ征爾、前川知大、丸尾丸一郎の上演台本が名を連ねていた。選考委員は、岩松了、鴻上尚史、坂手洋二、永井愛、野田秀樹、宮沢章夫の6人。授賞式は4月18日から東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で行われる。