原子力発電所から出る高レベルの放射性廃棄物の埋蔵と、未来の地球における安全性を問いかけるドキュメンタリー映画『100,000年後の安全』が、4月2日から東京・渋谷のアップリンクで急遽公開されることがわかった。
同作は、フィンランドに建設中の「オンカロ(隠された場所)」と呼ばれる高レベル放射性廃棄物の最終処分場施設に、世界で初めてカメラを入れた作品。地下500メートルにあるその巨大施設は、高レベル放射性廃棄物が生物に対して無害になるまでかかるという10万年の年月にわたり、放射性廃棄物を保持するように設計されているという。廃棄物が一定量に達すると施設は封鎖され、2度と開けられることはないとされているが、想像を超える長期間にわたっての保存が可能なのか、さらには10万年後の地球に暮らす人々まで、その危険性を伝えていく手段についてなども問題として挙がっている。
配給元のアップリンクでは福島原発事故の発生を受け、本来は今秋に予定していた同作の公開を急遽決定。また、入場料から200円を東日本大震災の義援金として寄付することもあわせて発表している。
フィンランドの処分場施設が正式に運用されるのは、現在の段階で2020年を予定しているとのこと。同処分場の当事者達に放射性廃棄物の危険について話を聞いた同作は、日本でも物議を醸している原子力発電所の問題を見つめ直すきっかけになるだろう。
『100,000年後の安全』
2011年4月2日より渋谷アップリンクにて緊急公開
監督・脚本:マイケル・マドセン
脚本:イェスパー・バーグマン
出演:
T・アイカス
C・R・ブロケンハイム
M・イェンセン
B・ルンドクヴィスト
W・パイレ
E・ロウコラ
S・サヴォリンネ
T・セッパラ
P・ヴィキベリ
配給・宣伝:アップリンク