イギリスの陶芸家ハンス・コパーの回顧展『ハンス・コパー展−20世紀陶芸の革新』が、6月26日まで静岡・静岡市美術館で開催されている。
ハンス・コパーは、1920年にドイツで生まれた陶芸家。父親がユダヤ人だったためにナチスの迫害を逃れながらイギリスへ亡命している。同じく亡命者の陶芸家、ルーシー・リーの工房でろくろの才能を見出されたコパーは、次々と独創的な作品を生み出し、その洗練された彫刻のような作品は陶芸の新たな可能性を切り拓いた。
日本初の回顧展となる同展は、建築空間を意識した作品や、古代キクラデス彫刻に刺激を受けたシリーズなど、陶芸の本質を追い求め続けたコパーの作品約110点を年代ごとに展示。また、コパーの生涯の友であるリーの作品約20点が展示されるほか、2人が共同で制作した作品も紹介する。
コパーは気に入らない作品を躊躇なく破棄し、手紙や書き残したものもこの世を去る前にほとんど燃やしてしまったと言われている。現代に残された作品から、研ぎ澄まされた美意識を感じることができるだろう。
『ハンス・コパー展−20世紀陶芸の革新』
2011年4月9日(土)~6月26日(日)
会場:静岡県 静岡市美術館
時間:10:00~19:00(展示室入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日
料金:一般800円 大高生・静岡市内在住70歳以上600円 中学生以下無料
講演会
『形のいろいろ−ハンス・コパーの陶芸』
2011年6月18日(土)13:30~15:00(開場13:00)
会場:静岡県 静岡市美術館 多目的室
講師:金子賢治(茨城県陶芸美術館館長)
定員:100名(応募者多数の場合は抽選)
料金:無料
※会場オフィシャルサイトの申込フォームまたは往復はがきにて要申込
『親子で楽しむギャラリートーク』
2011年5月21日(土)、6月18日(土)10:30~11:30
会場:静岡県 静岡市美術館
対象:小学生とその保護者
料金:無料(要観覧券)
※申込不要(当日インフォメーション前で受付)
『美術館スタッフによるギャラリートーク』
2011年5月14日(土)、5月28日(土)、6月11日(土)、6月25日(土)
会場:静岡県 静岡市美術館
時間:14:00~(30分程度)
料金:無料(要観覧券)
※申込不要(当日インフォメーション前で受付)
(画像上から:ハンス・コパー≪ポット≫ 1960年代後半 兵庫陶芸美術館蔵、ハンス・コパー≪ウォール・ディスク≫ 1962年 スウィントン・コミュニティ・スクール蔵 Photo/Byron Slater-Phillips de Pury & Company、ハンス・コパー≪トライポット≫ 1956年 個人蔵、ルーシー・リー 左から≪シリンダー≫ 1977年、≪ボウル≫ 1976年、≪ボウル≫ 1977年 すべてバークレイ・コレクション、ハンス・コパー/ルーシー・リー≪コーヒーセット(7点組)≫ 1955年頃 滋賀県立陶芸の森 陶芸館蔵)