失踪した父を追って踏み込む神秘の森、絵画的な映像美で少年の成長描く映画『蜂蜜』

幻想的な森に暮らす少年の成長と家族の絆を描いたトルコ映画『蜂蜜』が、6月から東京・銀座テアトルシネマほか全国で順次公開される。

手つかずの森林に囲まれた山岳で両親と共に暮らしていた6歳の少年・ユスフは、養蜂家の父と神秘に満ちたおとぎの国のような時を過ごしていた。しかしある日、森の蜂たちが忽然と姿を消してしまい、父は蜂を探しにいったまま戻らなくなってしまう。数日経っても父が帰ることはなく、ついにユスフは1人で幻想的な森の奥へ足を踏み入れていった。

同作の監督は、現代トルコ映画界を代表するセミフ・カプランオール。同作では、父を待ち続けて寂しさを抱きながらも、残された母を守るため、大人への第1歩を踏み出す少年の健気な姿を切実に描いている。

また、童話の断片のような絵画的な映像美と、鳥のさえずりや小枝のきしむ音などリアルな音響効果によって、時間の概念を超えた神秘的な森を姿を魅惑的に表現。日本語字幕の翻訳は、大阪大学に在学中の矢内達也が手掛けたことも注目だ。なお、同作は『第60回ベルリン国際映画祭』において金熊賞を獲得している。

『蜂蜜』

2011年6月より銀座テアトルシネマほか全国で順次公開
監督:セミフ・カプランオール
脚本:セミフ・カプランオール、オルチュン・コクサル
出演:
ボラ・アルタシュ
エルダル・ベシクチオール
トゥリン・オゼン
配給:アルシネテラン

(画像:©2010 Kaplan Film Production & Heimatfilm GmbH + Co KG)

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