『選挙』『精神』の想田和弘監督、日常と野良猫から平和と共存を探る新作『Peace』

岡山で暮らす人々や猫たちの何気ない日常から平和と共存へのヒントを探る映画『Peace』が、7月16日から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。

同作は、ニューヨーク在住の映画作家・想田和弘が監督を務めたドキュメンタリー作品。想田作品の特徴は、リサーチや台本を排し、ナレーションや音楽も一切使わない「観察映画」と自ら呼ぶスタイルだ。選挙運動の舞台裏を赤裸々に描いた2007年の『選挙』、タブーと言われる精神科にカメラを向けた2008年の『精神』と同様、最新作となる同作もこのスタイルによって制作されている。

「平和って何だろう?どうしたらみんなが共存できるの?」という「人類永遠の問い」に向き合った想田は、岡山で暮らす人々や猫たちの何気ない日常にカメラを向ける。想田の妻の実家・柏木家に住みついた野良猫グループと、突如現れた「泥棒猫」との確執。91歳で1人暮らしをする橋本至郎と、橋本をボランティア同然でケアする柏木夫妻。だが、柏木夫妻自身にも老いが迫り、自らの死を見つめる橋本の脳裏には兵隊としての記憶が突然蘇る。

毎日の生活を撮影する中から、戦争と平和、生と死、拒絶と和解、ユーモアと切なさが同居する「生の時間」を描き出した同作は、『香港国際映画祭』の『最優秀ドキュメンタリー賞』受賞をはじめ、各国の映画祭で絶賛を浴びている。また、国際映画祭『東京フィルメックス』では、ドキュメンタリーとしては異例の『観客賞』に選ばれている。

『Peace』

2011年7月16日よりシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開
監督・製作・撮影・編集:想田和弘
配給:東風

(画像:©2010 Laboratory X, Inc.)

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