印刷表現の可能性を探る恒例トライアル企画、今年は祖父江慎、佐藤可士和ら参加

グラフィックデザインと印刷表現の関係を追求し、第一線で活躍するクリエーターが様々な印刷表現に挑戦する実験企画展『GRAPHIC TRIAL 2011』が、東京・小石川の印刷博物館P&Pギャラリーで8月7日まで開催されている。

同展は、数人のクリエーターが凸版印刷のプリンティングディレクターと印刷実験を重ねながら、オフセット印刷を用いたグラフィック表現の可能性を探っていくもの。制作過程での数々のトライアルと、完成作品を併せて紹介する。2006年から毎年開催され、6回目となる今回の参加者は、祖父江慎、佐藤可士和、名久井直子、山本剛久の4人。

参加者はそれぞれのコンセプトで印刷実験に挑戦している。祖父江の『めざせ、トラブル!』では、技術が進歩するにしたがって起こりにくくなった印刷トラブルに注目し、計算できないことや予想外のことを意図的に起こすことに挑戦。佐藤の『基準の明確化』は、デザイナーと印刷現場の間で数値化されていない曖昧なやり取りについて、規定値とその限界について検証しながらデータ化に挑む。

名久井の『なつかしい質感を探して』では、昔の絵本のような質感の「なつかし印刷」などを試みるほか、山本の『オフセット印刷で木版画に挑戦』は、木版画という古くからの技法とオフセット印刷という最新の技術を融合させるための様々な実験を展開する。

実験および制作の内容は、同展のオフィシャルサイトで公開されるほか、打ち合わせ風景や進捗の模様もブログやTwitterで報告される。また、会期中には完成作品の予約販売を実施。会場での限定品となるので、興味のある人は是非足を運んで欲しい。


『GRAPHIC TRIAL 2011』

2011年5月13日(金)~8月7日(日)
会場:東京都 小石川 印刷博物館P&Pギャラリー
時間:10:00~18:00
休館日:月曜(7月18日は開館、7月19日は休館)
料金:無料

トークショー
『デザイントーク in TOPPAN vol.11』

2011年6月11日(土)15:00~17:00
会場:東京都 小石川 印刷博物館グーテンベルクルーム(地下1階)
出演:
祖父江慎
佐藤可士和
名久井直子
山本剛久
プリンティングディレクター4名
定員:80名
料金:無料(要事前予約)

『ギャラリートーク 祖父江慎×名久井直子』

2011年7月8日(金) 19:00~20:30
会場:東京都 小石川 印刷博物館P&Pギャラリー
出演:
祖父江慎
名久井直子
定員:80名
料金:無料(要事前予約)

(画像上から:『GRAPHIC TRIAL 2011』ポスター、祖父江慎作品、佐藤可士和作品、名久井直子作品、山本剛久作品)

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