洋画家・黒田清輝による油絵『智・感・情』を現代美術へと蘇らせる特別展示『村上隆「黒田清輝へのオマージュ」シリーズ特別公開』が、6月9日と10日に東京・元麻布のカイカイキキギャラリーで開催される。
1899年に発表された『智・感・情』は、日本人女性をモデルにした最初の油彩裸婦作品。日本の伝統的な金地の背景に、当時としての理想的な体型を追求した「最先端の女性像」が、西洋絵画的な極めて写実的な描写で描かれている。日本国内では物議をかもしたものの、1900年に開催されたパリ万博では銀賞を受賞したことでも知られている。
同展では、そんな『智・感・情』のオマージュ作品を展示。現代美術家の村上隆が黒田清輝版と同サイズ、同ポーズを踏襲した模写作品と、オタクイラストレーション界で活躍するTony、KEI、大槍葦人という3人の絵師がコラボレート。現代の美意識や女性観、そして、村上の追求する日本の今の美意識の総体が浮かび上がるものとなっている。
なお、同シリーズは6月27日からロンドンで開催される村上の個展に新作として登場する予定。これに伴い、2日間だけ日本で披露される貴重な機会を、逃さずにチェックしてほしい。
『村上隆「黒田清輝へのオマージュ」シリーズ特別公開』
2011年6月9日(木)、6月10日(金)
会場:東京都 元麻布 カイカイキキギャラリー
時間:11:00~19:00
出展作家:村上隆