文芸誌『早稲田文学 4号』が、本日9月16日に刊行された。
同誌は、1891年に坪内逍遥によって創刊された、日本でもっとも歴史の長い文芸雑誌。昨年12月刊行の『早稲田文学増刊π(パイ)』以来となる今号では、「東北・日本・文学」のテーマを中心とした紙面を展開する。
特集「震災に。」では、福島県郡山市出身の作家・古川日出男が重松清と対談した『牛のように、馬のように』をはじめ、阿部和重、川上未映子、松田青子、牧田真有子による小説作品、阿部、川上のほか斎藤環らを交えた座談会を掲載。
また、今秋発売を予定している篠山紀信撮影の東北写真集『ATOKATA』の序章として、写真作品数点をカラー掲載。「世界の被災地から」では、チェルノブイリ、チリ、インドネシア・スマトラ沖、中国・四川省など過去に大災害に見舞われた国・地域にスポットをあてる。
さらに、日本文学の枠組みを捉え直す「シリーズ【日本“現代”文学の、標的=始まり】」では、大江健三郎を多角的な視点から読み解くほか、メディア論の先駆者として知られ、今年で生誕100周年を迎えるマーシャル・マクルーハンの小特集も組まれるなど、読み応えのある充実した内容となっている。
なお、早稲田文学のオフィシャルサイトでは、東日本大震災の義援金を募るため、賛同著者による書き下ろしのチャリティコンテンツを順次公開している。詳細は同サイトで確認して欲しい。