古来から続く木彫技法で少年少女の神秘的な世界表現、棚田康司個展『○と一』

日本古来の木彫技法を用いる気鋭彫刻家・棚田康司の個展『○と一』が、10月10日まで東京・青山のスパイラルガーデンで開催されている。

棚田康司は、古来から伝わる木彫技法である「一木造り」を用いて、少年少女の木像を制作しているアーティスト。一木造りは、1本の木材だけをもとに、像の頭部と胴体を継ぎ目なく彫るという技法だ。棚田によって彫り出された少年少女の木像は、思春期の未熟さや脆さ、また伸びゆく生命のしなやかさが力強く表現された作品として、国内外で高い評価を得ている。

同展では、「風神雷神」をモチーフとした少年少女の立像など新作7点を展示。会期中は、エントランスからアトリウムまで、会場を一直線に貫く参道のような道を設置するなど、会場空間全体を活用した展示が行われる。

同展の開催にあたって何度も会場に足を運んだという棚田は、「スパイラルは人間臭さや神秘的な気配が一切ない空間。この空間に敢えて神棚や神社仏閣が感じさせる神秘性を拡大して持ち込んだら面白いと思った」とコメントしている。

なお、棚田の個展『生える少年』が、東京・市ヶ谷のミヅマアートギャラリーで10月1日まで開催中。さらに、棚田が出展している『ジパング展 −31人の気鋭作家が切り拓く、現代日本のアートシーン。』の巡回展が、9月28日から京都高島屋で開催される。

棚田康司展
『○と一(らせんとえんてい)』

2011年9月22日(木)~10月10日(月・祝)
会場:東京都 青山 スパイラルガーデン(スパイラル 1F)
時間:11:00~20:00
料金:無料

棚田康司展
『生える少年』

2011年9月1日(木)~10月1日(土)
会場:東京都 市ヶ谷 ミヅマアートギャラリー
時間:11:00~19:00
休廊日:日、月曜、祝日

『ジパング展 −31人の気鋭作家が切り拓く、現代日本のアートシーン。』

2011年9月28日(水)~10月10日(月・祝)
会場:京都府 河原町 京都高島屋

出品作家:
会田誠
青山悟
池田学
石原七生
上田順平
O JUN
岡本瑛里
風間サチコ
樫木知子
熊澤未来子
鴻池朋子
近藤聡乃
指江昌克
染谷聡
棚田康司
束芋
天明屋尚
南条嘉毅
藤田桃子
町田久美
三瀬夏之介
宮永愛子
森淳一
山口藍
山口晃
山崎史生
山本太郎
山本竜基
吉田朗
龍門藍
渡邊佳織

料金:一般800円 大学・高校生600円

(画像:棚田康司「家の少女」Photo:熊谷順)

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