アメリカを代表するドキュメンタリー作家の特集上映『フレデリック・ワイズマンのすべて』が、東京・渋谷のユーロスペースで11月25日まで開催されている。
フレデリック・ワイズマンは、弁護士業の傍ら大学で教鞭をとっていた1963年に、シャーリー・クラーク監督作品『クールワールド』をプロデュース。1967年には初の監督作にして、24年間にわたり上映禁止となったドキュメンタリー作品『チチカット・フォーリーズ』を発表した。以後、40数年にわたり、学校、病院、警察、軍隊、裁判所、福祉施設、議会など、アメリカの様々な施設や組織を継続的に撮影している。
今回の特集上映では、2010年の『ボクシング・ジム』など日本初公開の8作品を含む、現在上映可能な36作品を一挙公開。様々な矛盾を内包したアメリカという国を克明に映すと同時に、独自の映像表現を展開し続けている同監督の全貌に迫る、またとない機会となるだろう。
なお、同特集は石川・金沢21世紀美術館、高知・高知県立美術館、広島・広島市映像文化ライブラリー、神奈川・川崎市アートセンターおよび川崎市市民ミュージアム、宮城・せんだいメディアテーク、東京のアテネ・フランセ文化センターなどでも巡回上映される予定だ。
『フレデリック・ワイズマンのすべて』
2011年10月29日(土)~11月25日(金)
会場:東京都 渋谷 ユーロスペース
上映作品:
『チチカット・フォーリーズ』
『高校』
『法と秩序』
『病院』
『基礎訓練』
『エッセネ派』
『少年裁判所』
『霊長類』
『福祉』
『肉』
『パナマ運河地帯』
『シナイ半島監視団』
『軍事演習』
『モデル』
『ストア』
『競馬場』
『視覚障害』
『聴覚障害』
『適応と仕事』
『多重障害』
『ミサイル』
『臨死』
『セントラル・パーク』
『アスペン』
『動物園』
『高校2』
『BALLETアメリカン・バレエ・シアターの世界』
『コメディ・フランセーズ演じられた愛』
『パブリック・ハウジング』
『メイン州ベルファスト』
『DV―ドメスティック・バイオレンス』
『DV 2』
『最後の手紙』
『州議会』
『パリ・オペラ座のすべて』
『ボクシング・ジム』
※上映終了作品含む
料金:当日一般1,500円 大学専門学校1,300円 会員・シニア1,100円 高校生800円 中学生以下500円
(画像上から:フレデリック・ワイズマン ©John Ewing、『チチカット・フォーリーズ』、『基礎訓練』、『セントラル・パーク』、『ボクシング・ジム』)