東日本大震災の「事実」見据え、建築の意味と可能性問い直す『311 失われた街 展』

東日本大震災が引き起こした「事実」を見据え、建築に何が可能かを改めて問う展覧会『311 失われた街 展』が、東京・乃木坂のTOTOギャラリー・間で12月24日まで開催されている。

同展では、地震と津波で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の各都市から14の街区を選び、1/500スケールの白模型で復元。失われた多くの日常を模型から感じることで、復興に向けた足がかりとなることを目指すという。なお、模型製作の監修は建築家の槻橋修が担当している。

また、被害の影響を正しく伝えるために「震度」「津波」「放射線」「電力」という4つのデータをビジュアル化した『311 SCALE』も展示。ビジュアル化は、「演出しない」「主張しない」「世界の人々にとってわかりやすい表現を行う」「可能な限りの正確さを守る」というコンセプトで実施されている。

なお、同展の会場構成は建築家の内藤廣、コミュニケーションデザインはグラフィックデザイナーの原研哉が担当。2人は共に監修も務めている。

現在、同展のオフィシャルサイトでは11月2日に東京・本郷の東京大学大講堂で開催された関連シンポジウム『311 ゼロ地点から考える』の動画が公開されている。出演者は、内藤廣、原研哉、槻橋修の3人に加え、原広司、小野田泰明、中田千彦、青木淳、小嶋一浩、藤村龍至、帰心の会(伊東豊雄、隈研吾、妹島和世、山本理顕)ら、第一線で建築に携わる顔ぶれとなっている。是非こちらもチェックしてみよう。

『311 失われた街 展』

2011年11月2日(水)~12月24日(土)
会場:東京都 乃木坂 TOTOギャラリー・間
時間:11:00~18:00(金曜のみ 11:00~19:00)
休館日:日、月曜、祝祭日
料金:無料

(画像:『311 失われた街 展』会場風景 ©Nacása & Partners Inc.)

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