パフォーミングアーツカンパニー「パパ・タラフマラ」の解散をめぐる書籍『ロング グッドバイ ―パパ・タラフマラとその時代』が刊行された。
パパ・タラフマラは、代表の小池博史を中心として1982年に設立。ダンス、演劇、美術、音楽、文学などの様々なジャンルを横断し、舞台空間全体をひとつのアートに築き上げる手法は国内外で高い評価を得てきた。昨年6月に解散を発表し、現在は解散記念フェスティバル『パパ・タラフマラ・ファイナルフェスティバル』を4月まで継続的に開催している。
同書には、UPLINK代表の浅井隆、東京都現代美術館チーフキュレーターの長谷川祐子と小池の対談をはじめ、同カンパニーとの関係も深いセゾン文化財団理事長・堤清二、現代美術作家のヤノベケンジ、映画監督・是枝裕和、劇作家の平田オリザ、パフォーマンスカンパニー・快快といった多彩な顔ぶれへのインタビューも掲載。また、写真家・写真評論家の港千尋、詩人の谷川俊太郎、小説家の天童荒太らによる論考も掲載している。同カンパニーが辿ってきた30年の軌跡を追うと共に、助成金問題などを通じて日本社会における表現のあり方にも真正面から向き合った、読み応えのある内容となっている。