現代美術家・杉本博司の素顔と創造性に迫るドキュメンタリー映画『はじまりの記憶 杉本博司』が、3月31日から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開される。
1948年に東京で生まれた杉本は、1974年からニューヨークへ移住。自然史博物館のジオラマを撮影した『ジオラマ』シリーズや、全米の映画館などで撮影した『劇場』シリーズ、世界各地の海を同じ手法で撮影した『海景』シリーズなどの代表作で知られ、2009年には『高松宮記念世界文化賞』を受賞している。また、作品がメトロポリタン美術館、テートギャラリー、ポンピドゥーセンター、東京国立近代美術館といった多数の美術館に所蔵されるなど、世界的にも高い評価を得ている。
『はじまりの記憶 杉本博司』は、2010年12月にWOWOWで放送され、『国際エミー賞』のアート部門にもノミネートされた『ノンフィクションW「はじまりの記憶 現代美術作家・杉本博司」』に、ほぼ倍の長さの撮り下ろし映像を加えた劇場作品。杉本の国内外での制作発表の現場に密着し、古の美学を愛すると共に極めて現代的といえる作家の人生と、その視線の先にあるものに迫る。
監督は、塚本晋也監督の現場で学んだ後、森本千絵のテレビドキュメンタリーなどを手掛けている中村佑子。ナレーションを寺島しのぶ、音楽を渋谷慶一郎が担当。さらに、安藤忠雄(建築家)、李禹煥(現代美術家)、野村萬斎(狂言師)、浅田彰(批評家)など、縁のある出演者が杉本の人物像を浮かび上がらせる。
なお、公開日となる3月31日からは東京・品川の原美術館で展覧会も開催される予定だ。
『はじまりの記憶 杉本博司』
2012年3月31日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラムにてレイトロードショー
監督:中村佑子
ナレーション:寺島しのぶ
音楽:渋谷慶一郎
出演:
杉本博司
安藤忠雄
李禹煥
野村萬斎
浅田彰
配給・宣伝:Playtime
(画像:©はじまりの記憶 テレビマンユニオン/WOWOW)