1986年に起きたチェルノブイリ原子力発電所の事故により、立ち入り制限がかかった街で生きる人々をとらえたドキュメンタリー映画『プリピャチ』が、3月から東京・渋谷のアップリンクほか全国で順次公開される。
1999年の完成から13年の月日を経て日本公開に至った同作。タイトルの『プリピャチ』とは、ソビエト連邦(現ウクライナ)にあるチェルノブイリ原子力発電所から4キロメートルに位置する街の名前を指しており、事件発生から12年の月日が流れたプリピャチで生きる人々の姿を、ナレーションや音楽を排除したモノクロ映像で印象的に映し出している。
監督は食物の生み出される現場をありのままにとらえたドキュメンタリー映画『いのちの食べかた』を手掛けたニコラウス・ゲイハルター。同監督は「当時ヨーロッパではチェリノブイリ原発事故の事はメディアでの報道も無くなり忘れ去られようとしていたので、僕は忘れないために記録しておこうと思った」と同作の制作動機を語っている。
『プリピャチ』
2012年3月から渋谷アップリンクほか、全国順次公開
監督・撮影:ニコラウス・ゲイハルター
配給:アップリンク