ドキュメンタリー映画の新たな潮流を紹介する『ソーシャル・ドキュメンタリー 現代日本を記録する映像たち』が、7月27日に刊行された。
同書は、社会のありようをフィルムに収め、変革や啓蒙を目指してきた既存の社会派ドキュメンタリーとは一線を画する、新たな社会意識をもったドキュメンタリー映像作品に注目した書籍。反体制のメッセージを叫ぶのではなく、個の視点と等身大の空間感覚から軽快に社会の矛盾を捉える現代日本のドキュメンタリー作家たちの試みを浮き彫りにしていく。
青森・六ケ所村の核燃料再処理施設を題材にした『六ヶ所村ラプソディー』などで知られる鎌仲ひとみ監督とメディアジャーナリスト津田大介の対談をはじめ、想田和弘監督と詩人・和合亮一の対談や、松江哲明、ヤン・ヨンヒ、大宮浩一、佐々木友輔へのインタビューも掲載。論考執筆者には、同書の編者でもある萩野亮のほか、開沼博、藤井光、渡邊大輔、藤村龍至、佐藤信、立岩真也が名を連ねている。
(画像:『ソーシャル・ドキュメンタリー 現代日本を記録する映像たち』表紙)