遺体の尊厳を描く被災地ルポルタージュ『遺体』が映画化、主演は西田敏行

東日本大震災の被災地を捉えたルポルタージュを映画化した『遺体 ~明日への十日間~』が、2013年3月に公開される。

同作は、石井光太によるルポルタージュ『遺体―震災、津波の果てに』をもとにした作品。東日本大震災発生直後の混乱の中、次々と遺体安置所に運び込まれてくる遺体に戸惑う現場を訪れた主人公・相葉常夫は、定年前に葬祭関連の仕事に就いていた経験を活かし、自ら願い出て遺体安置所の世話役となる。ボランティアとして働き始めた相葉は、遺体を人としての尊厳を守りながら遺族のもとに帰すために懸命の努力を続ける。

出演者は、相葉役を演じる西田敏行をはじめ、緒形直人、勝地涼、國村準、酒井若菜、佐藤浩市、佐野史郎、沢村一樹、志田未来、筒井道隆、柳葉敏郎らが名を連ねている。監督と脚本は、『踊る大捜査線』シリーズや映画『誰も守ってくれない』を手掛けた君塚良一。

西田敏行は、映画出演のオファーがあった際に「ご遺族の方々の心情を考えると、劇化するというのは『果たして正しいのかどうか』という判断には非常に迷いました」と当時の心境を明かしながらも、「被災地に対し、一体何ができるのだろうとずっと考えていたのですが、歌手の方は『歌』で、僕は役者なので『芝居』でできることをしようと。これに出演してくれた役者さんみんながそういう思いで現場にいてくれたのだと思っています」と同作にかける思いを語っている。なお、同作は『モントリオール世界映画祭 ワールドグレーツ部門』への出品が決定している。


『遺体 ~明日への十日間~』

2013年3月公開予定
監督・脚本:君塚良一
原作:石井光太『遺体 震災、津波の果てに』(新潮社)
出演:
西田敏行
緒形直人
勝地涼
國村準
酒井若菜
佐藤浩市
佐野史郎
沢村一樹
志田未来
筒井道隆
柳葉敏郎
ほか
配給:ファントム・フィルム

(画像上:西田敏行、画像中:緒形拳、画像下:志田未来)

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