今年10月17日に逝去した若松孝二監督の遺作『千年の愉楽』が、2013年3月9日から東京・テアトル新宿ほか全国で順次公開される。
和歌山出身の作家・中上健次が1992年に刊行した同名小説をもとに制作された同作は、和歌山・紀州の集落「路地」を舞台に、中本の血筋の美しい男たちと、その不条理で鮮烈な生き様を長年にわたって見守り続ける路地の産婆・オリュウノオバの物語。構成の複雑さや独特の世界観から、映像化は困難とされていた作品だ。
同作は、海と山に囲まれた三重・尾鷲の須賀利で撮影。オリュウノオバ役を演じるのは、これまでも若松作品に多数出演してきた寺島しのぶ。オリュウノオバの夫・礼如役を佐野史郎が演じるほか、オリュウノオバが産婆として最初に取り上げた中本の男・半蔵役を高良健吾、ヒロポン漬けの刹那的な生活を送る三好役を高岡蒼佑、三好の死を見届けたのち北海道の炭鉱に出稼ぎに行く達男役を染谷将太、浮島の森に一人籠って暮す半蔵の父・彦之助役を井浦新、半蔵の妻役には石橋杏奈、噂好きな路地の女・ミツ役を原田麻由が演じる。また、音楽は中村瑞希とハシケンが担当している。
『千年の愉楽』
2013年3月9日(土)からテアトル新宿ほか全国で順次公開
監督:若松孝二
原作:中上健次『千年の愉楽』(河出書房新社)
脚本:井出真理
音楽:中村瑞希、ハシケン
出演:
寺島しのぶ
佐野史郎
高良健吾
高岡蒼佑
染谷将太
山本太郎
原田麻由
井浦新
増田恵美
並木愛枝
地曵豪
安部智凛
瀧口亮二
岡部尚山岡一
水上竜士
岩間天嗣
大谷友右衛門
片山瞳
月船さらら
渋川清彦
大西信満
石田淡朗
小林ユウキチ
大和田健介
真樹めぐみ
大西礼芳
石橋杏奈
配給:若松プロダクション、スコーレ株式会社
(画像:©若松プロダクション)