2人のポルトガル人アーティストによる展覧会『MU[無]─ペドロ コスタ&ルイ シャフェス』が、12月7日から東京・品川の原美術館で開催される。
ドキュメンタリーとフィクションの境界線上に立ち、静謐な映像美と破壊的な世界観が共存する作品を発表し続けている映画監督ペドロ・コスタと、主に鉄を用いて彫刻表現の様々な可能性を追求し、ポルトガル代表として『ヴェネチア・ビエンナーレ』『サンパウロ・ビエンナーレ』などの国際展にも出品する彫刻家のルイ・シャフェス。
小津安二郎監督の墓碑に一文字のみ刻まれた「無」をタイトルに掲げる同展では、プライベートでも親交深い2人が、ジャンルや作品のもつ特性を越えた展示を展開。かつて邸宅だった原美術館の空間を意識して制作された新作各3点も含む、映像インスタレーション5点と彫刻5点の計10点で構成される。ペドロ・コスタの代表作『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』の映像素材が、ルイ・シャフェスの鉄の彫刻と共にインスタレーションとして提示される点も見どころのひとつとなる。
なお、同展を記念する上映会『ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェスのカルト・ブランシュ』が、12月1日から12月3日、12月7日から12月13日まで東京・渋谷のオーディトリウム渋谷で開催。また、12月5日と12月7日に東京・駿河台のアテネ・フランセ文化センターで、ドキュメンタリー作品『終焉のさなかに』『映画作家ペドロ・コスタ/オール・ブロッサムズ・アゲイン』が上映される。スケジュールなどの詳細については各会場のオフィシャルサイトで確認しよう。
『MU[無]─ペドロ コスタ&ルイ シャフェス』
2012年12月7日(金)~2013年3月10日(日)
会場:東京都 品川 原美術館
時間:11:00~17:00(水曜は20:00まで、入館は閉館時刻の30分前まで)
出展作家:
ペドロ・コスタ
ルイ・シャフェス
休館日:月曜(12月24日、1月14日、2月11日は開館、12月25日、1月15日、2月12日は振替休館)、年末年始(12月28日~1月4日)
料金:一般1,000円 大高生700円 小中生500円
※学期中の土曜日は小中高生の入館無料
※20名以上の団体は1人100円引
『ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェスのカルト・ブランシュ』
2012年12月1日(土)~12月3日(月)、12月7日(金)~12月13日(木)
会場:東京都 渋谷 オーディトリウム渋谷
上映作品:
『父ありき』(監督:小津安二郎)
『吸血鬼』(監督:カール・ドライヤー)
『トラス・オス・モンテス』(監督:アントニオ・レイス&マルガリータ・コルデイロ)
『アニキ・ボボ』(監督:マノエル・ド・オリヴェイラ)
『街の灯』(監督:チャールズ・チャップリン)
『エンペドクレスの死』(監督:ジャン=マリー・ストローブ&ダニエル・ユイレ)
『バルタザールどこへ行く』(監督:ロベール・ブレッソン)
『彼女について知っている二、三の事柄』(監督:ジャン=リュック・ゴダール)
『アンドレイ・ルブリョフ』(監督:アンドレイ・タルコフスキー)
『ヴァンダの部屋』(監督:ペドロ・コスタ)
『コロッサル・ユース』(監督:ペドロ・コスタ)
料金:当日 一般1,300円 学生・シニア1,200円 高校生以下1,000円 3回券(劇場窓口での販売)3,300円
『「MU[無]─ペドロ コスタ&ルイ シャフェス」(原美術館)開催記念「終焉のさなかに」「映画作家ペドロ・コスタ/オール・ブロッサムズ・アゲイン」特別上映』
2012年12月5日(水)、12月7日(金)
会場:東京都 駿河台 アテネ・フランセ文化センター
上映作品:
『終焉のさなかに』(監督:ジョアン・トラブロ)
『映画作家ペドロ・コスタ/オール・ブロッサムズ・アゲイン』(監督:オーレリアン・ジェルボー)
料金:一般1,000円 アテネ・フランセ文化センター会員800円
(画像上から:ペドロ コスタ 「カザル ダ ボバ地区」 2005年、映像インスタレーション、所蔵:セラルヴェス美術館 ©Pedro Costa Courtesy of the artist、ペドロ コスタ 「少年という男、少女という女」 2005年、映像インスタレーション、所蔵:セラルヴェス美術館 ©Pedro Costa Courtesy of the artist、ルイ シャフェス 「私が震えるのを見よ」 2005年、鉄にペイント、241(高さ) x 372 x 117 cm、所蔵:セラルヴェス美術館 ©Rui Chafes Courtesy of the artist、ルイ シャフェス「私は寒い」2005年、鉄にペイント、273(高さ) x 130 x 124cm ©Rui Chafes Courtesy of the artist)