白水社が主催する『第57回岸田國士戯曲賞』を、岩井秀人の『ある女』、赤堀雅秋の『一丁目ぞめき』の2作品が受賞したことがわかった。
両作品は共に昨年初演の上演台本となり、『ある女』は岩井秀人が主宰の劇団ハイバイ、『一丁目ぞめき』は赤堀雅秋が主宰のTHE SHAMPOO HATによって上演された。
選考委員の岡田利規は「『一丁目ぞめき』の、せりふの端々から作中人物のガサツさが自然とにじみ出てくること、劇に厚みを持たせる設定を作る力が確かなことに、惹かれました。他の候補作に本作のウェルメイドさを凌駕するパワーを備えたものがあると思えなかったこともあり、本作を強く推しました」とコメント。また、同じく選考委員の松尾スズキは「『ある女』を強く推しました。一ページに一回以上おもしろい!と素直に思える戯曲には中々出会えません。どのキャラクターも魅力的で、戯曲を読むのが苦手な自分には非常に助かる作品に出会えました。自分も精進したいと思います。おめでとうございます」と受賞者を祝福している。
今回の候補作品には、受賞した2作品に加えて、北川陽子(快快)『りんご』、サリngROCK(突劇金魚)『漏れて100年』、中屋敷法仁(柿喰う客)『無差別』、畑澤聖悟(渡辺源四郎商店)『翔べ!原子力ロボむつ』、早船聡(劇団サスペンデッズ)『エレノア』、水沼健(壁ノ花団)『ニューヘアスタイルイズグッド』の計8作品が名を連ねていた。選考委員は、岩松了、岡田利規、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、野田秀樹、松尾スズキ、松田正隆、宮沢章夫の7人。授賞式は4月8日から東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で行われる。