建築家・坂茂の創作と活動を包括的に紹介する日本初の大型個展『坂 茂 建築の考え方と作り方』が、3月2日から茨城・水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催される。
紙管をはじめとする日常にある様々な物の中に建築材料の特性を見出し、それらを用いながら優れたデザインを生み出してきた坂茂。これまでの建築作品には『紙のログハウス』『避難 所用簡易間仕切り』や海上輸送コンテナを利用した『ノマディック・ミュージアム』、フランスの国家プロジェクトとして行われているコンペティションで選出されたポンピドゥーセンターの分館となる『ポンピドゥーセンター・メス』などがある。
同展では住宅や公共施設だけでなく、17年以上にわたり坂茂が取り組んでいる難民および被災者のための支援プロジェクトなど世界各地における活動を、初期作品から進行中のプロジェクトまで紹介。会場には実物大に近い模型やモックアップが多数用意され、細部や素材などを見ることができるという。中でも日本初の試みとなったコンテナ仮設住宅の実物大モックアップ(一世帯分)の展示も見どころとなる。
また、少子高齢化、人口減少などの社会問題、それらを含む街づくりなど、様々な視点から都市の再建について議論するシンポジウム『建築と都市の未来』をはじめとする関連イベントも開催される予定だ。
『坂 茂 建築の考え方と作り方』
2013年3月2日(土)~5月12日(日)
会場:茨城県 水戸芸術館現代美術ギャラリー、水戸芸術館敷地内
時間:9:30~18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜(4月29日、5月6日(月・祝)は開館、翌4月30日、5月7日(火)は休館)
料金:一般800円 前売600円
※中学生以下、65歳以上は無料
(画像上から:ポンピドゥーセンター・メス ©Didier Boy de la Tour、コンテナ多層仮設住宅 - 宮城県女川町 ©Voluntary Architects' Network + Shigeru Ban Architects、間仕切り設置完了風景(大槌高校大体育館) ©Voluntary Architects' Network、紙の家 Photo by Hiroyuki Hirai)