音楽文化研究家・小沼純一による書籍『映画に耳を』が、3月15日に刊行された。
1959年生まれの小沼は、「音楽文化」の視点から音楽や映画、文学、舞台、美術など幅広い著述活動を展開。坂本龍一総合監修による音楽全集『commmons: schola』の選曲および執筆に携わり、NHK Eテレでの音楽教養番組『スコラ 坂本龍一 音楽の学校』にも出演しているほか、早稲田大学文学学術院の教授としても知られている。
同書は、サイレントシネマ時代から現代の作品まで、約100本の映画に関する映画音楽論考をまとめたもの。映画を映像だけでなく、劇中に使われている音楽から生活音まで様々な「音」から紐解き、作品に新たな光を当てる論考集となっている。
岩井俊二は同書について「映画音楽は死語になりかけている、映画は何かもの凄く大切なモノを失いかけている」とコメント。また、菊地成孔は「英語が話せない人にとっての洋楽は、もうすっかり愉しみ尽くしたと思っていても、まだ半分ぐらい、場合によっては半分以上、愉しみが残っている。映画に流れる音楽を漠然と、美しいBGMとしてだけ聴いている人にとっての映画も、また同じである」と推薦のコメントを寄せている。
(画像:小沼純一『映画に耳を』表紙)