江戸絵画を「かわいい」というキーワードから紐解く展覧会『かわいい江戸絵画』が、5月6日まで東京・府中市美術館で開催されている。
『かわいい江戸絵画』は、美術史の中でこれまであまり使われてこなかった「かわいい」というキーワードに焦点を当て、新たな江戸絵画の魅力に迫る展覧会。幼い子どもや子犬などを「かわいい形」として描く技法を確立した江戸の画家たちの作品を通して、様々な感情を言い表す「かわいい」という言葉の豊かさが体験できる展示内容になっている。
展示替えのため前後期に分けて開催される同展では、地面を転がるように駆け回る子犬たちを描いた円山応挙の『狗児図』、猫の魅力を引き出した歌川国芳の『猫のすゞみ』、仙がい義梵の『大黒天図』、長沢蘆雪の『豊干禅師図』などを展示。会期中には20分のスライドレクチャーや同館学芸員による展覧会講座などのイベントも行われる。
(画像上:円山応挙『狗児図』(部分)、画像中:歌川国芳『猫のすゞみ』渡邊木版美術画舗蔵、画像下:伊藤若冲『布袋図』)