音楽プロデューサー牧村憲一による著書『ニッポン・ポップス・クロニクル1969-1989』が、3月27日に刊行された。
1946年に東京・渋谷で生まれた牧村は、「現役最高齢の音楽プロデューサー」とも称される人物。ユイ音楽工房でかぐや姫“神田川”のディレクターを務めたほか、その後シュガーベイブ、センチメンタル・シティ・ロマンス、竹内まりや、大貫妙子らのプロデュースやマネージメントを手掛け、細野晴臣主宰レーベル「ノン・スタンダード」のディレションを担当。また、フリッパーズギターやTRATTORIAのディレクターを務め、「渋谷系」の音楽にも大きな影響を与えた。2010年に刊行された津田大介との共著『未来型サバイバル音楽論』でも話題を集めた。
同書は、1969年から1989年までの日本のポップス史を時系列に沿って紹介。現場にいた者だけが知るエピソードなども交えて、日本音楽シーンの移り変わりを浮き彫りにしていく。また、小室等、伊藤銀次、高野寛、信藤三雄ら総勢22人による当時を振り返る証言も盛り込まれている。さらに、ジャズ評論家・相倉久人との対談が掲載されるほか、現在では入手不可能なコレクターズアイテムなどの写真も公開されている。ブックデザインはGROOVISIONSが担当。
なお、4月14日まで神奈川・横須賀美術館で開催されている1970年代のポップカルチャーを振り返る企画展『70's バイブレーション!』では、牧村がキュレーションを手掛けたブースも展開されている。
(画像:『ニッポン・ポップス・クロニクル1969-1989』表紙)