デザイナー・榮久庵憲司の活動を紹介する展覧会『榮久庵憲司とGKの世界――鳳が翔く』が、9月1日まで東京・世田谷美術館で開催されている。
1929年に東京で生まれ、広島で育った榮久庵は、父が浄土宗の僧侶だったことから一度は僧門に入るが、デザイナーとしての道をあきらめることができずに上京し、1950年には東京藝術大学へ入学。小池岩太郎のもとでインダストリアルデザインを学び、友人らと結成したデザイングループ「GK(Group of Koike)」を母体に、数多くの工業デザインを手がけている。
同展では、キッコーマンの「しょうゆ卓上びん」やヤマハ発動機の第1号機「YA-1」から現在までの最新モデル、成田エクスプレスや秋田新幹線「こまち」、山手線や中央線、総武線などの車両といった電車、印刷機械や飛行機の座席、博覧会のサインや施設など、榮久庵とGKがデザインに携わってきた多岐にわたるデザインの数々を紹介。また、現在開発中の製品や、榮久庵が提唱している「道具の思想」を表したインスタレーション作品なども展示される。
(画像上:『しょうゆ卓上びん』、1961年、画像中:『VMAX』、2008年、画像下:『道具千手観音像』、2006年)