映画の世界に入り込む美術作家ミン・ウォン、新作個展は日本作品がモチーフ

ベルリン在住のシンガポール人アーティスト、ミン・ウォンの個展『私のなかの私』が、9月22日まで東京・銀座の資生堂ギャラリーで開催されている。

1971年にシンガポールに生まれたウォンは、全キャストを自ら演じるという手法で世界各国の映画をリメイクした映像作品を作りながら、その作品とオリジナルとなる映画の間に生まれた差異から、人種的・文化的アイデンティティーやジェンダーなどの問題に言及するアーティスト。2009年の『ヴェネチア・ビエンナーレ』で開催した個展で審査員特別表彰を受賞したほか、数多くの国際展に参加している。

日本での滞在制作を経て同展で発表される新作『私のなかの私』は、日本映画や伝統芸能から着想を得て制作された映像インスタレーション。日本映画を「時代劇」「現代劇」「アニメ」の3つのジャンルに分類したウォンは、それぞれの演技や撮影スタイル、物語設定などを日本映画の典型として表現。小津安二郎監督の映画や『新世紀エヴァンゲリオン』『攻殻機動隊』などをもとに創造した日本映画の元型的なキャラクターをウォン自身が演じることで、台詞の発音や言い回しのぎこちなさ、身体的特徴などから、性差、世代、言語、人種といった要素を浮かび上がらせている。

イベント情報

『ミン・ウォン展 私のなかの私』

2013年7月6日(土)~9月22日(日)
会場:東京都 銀座 資生堂ギャラリー
時間:11:00~19:00、日曜・祝日11:00~18:00
休館日:月曜、8月12日(月)~8月16日(金)
料金:無料

(画像:Ming Wong Me in Me 2013 Multi-Channel Video Installation Courtesy of the artist)

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