特異な視点で切り取られた日本の風景、須田一政の軌跡を紹介する写真展『凪の片』

写真家・須田一政の展覧会『須田一政 凪の片（なぎのひら）』が、9月28日から東京・恵比寿の東京都写真美術館で開催される。

1940年に東京・神田で生まれた須田は、1960年代から作品を発表。1967年から1970年まで寺山修司主宰の演劇実験室「天井桟敷」の専属カメラマンを努め、1983年に写真展『物草拾遺』などで『日本写真協会年度賞』を受賞したほか、1997年には写真集『人間の記憶』で『第16回土門拳賞』に輝くなど、現実の裂け目から異空間を覗き見るような写真表現で、1970年代から国内外で高い評価を得ている。

同展では、代表作『風姿花伝』『物草拾遺』『東京景』に加えて、初展示となる『紅い花』、現在の住居である千葉周辺で撮影された新作『凪の片』など215点を銀塩プリントで展示。日本の風景を特異な視点で切り取る須田の軌跡を一望できる展覧会となっている。

会期中には須田とブックデザイナーの鈴木一誌、写真家の鈴木理策による対談がそれぞれ開催される。

（画像上から：〈物草拾遺〉より 1981 年 東京都写真美術館蔵、〈風姿花伝〉より『山形・銀山温泉』 1976年　東京都写真美術館蔵、〈東京景〉より 1970-年代 東京都写真美術館蔵、〈紅い花〉より『埼玉・秩父』 1975 年 作家蔵）

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