「反芸術」の旗手・工藤哲巳の全貌を紐解く回顧展『あなたの肖像』、東京と青森を巡回

芸術家・工藤哲巳の回顧展『あなたの肖像―工藤哲巳回顧展』が、本日2月4日から東京・竹橋の東京国立近代美術館で開催される。

1935年に大阪で生まれた工藤は、篠原有司男や荒川修作らと共に「反芸術」の旗手として知られる芸術家。ヨーロッパを拠点に活動し、性や公害、原子力など、人間の生存に関わる根源的な問題やタブーに斬り込むなど、近代ヒューマニズムを批判する作品やハプニングを発表したが、1990年に55歳の若さで他界した。近年はフランス、アメリカで回顧展が開催されたほか、約20年ぶりとなる国内での回顧展が今年1月まで大阪・中之島の国立国際美術館で開催された。

東京では初の回顧展となる同展では、初期の絵画から、鳥籠や水槽などを使った多彩なオブジェやデッサン、デッキチェアや乳母車を用いた1960年代半ばの作品群、ハプニングやパフォーマンスの記録写真、関連資料など日本初公開の作品も含む約200点を紹介。また、1962年に『第14回読売アンデパンダン展』に出品された大作『インポ分布図とその飽和部分に於ける保護ドームの発生』が日本で50年ぶりに公開されている点も見どころとなる。

会期中には、記録映画『脱皮の記念碑 工藤哲巳の記録』の上映会と講演会、ギャラリートークも開催される。なお、同展は4月12日から青森・青森県立美術館に巡回する。

（画像上から：工藤哲巳 1971年　撮影：工藤弘子　©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013、工藤哲巳　ハプニング「インポ哲学」 ブーローニュ映画撮影所（パリ）1963年2月　撮影：工藤弘子　©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013、工藤哲巳『Ｘ型基本体に於ける増殖性連鎖反応』1960年　東京都現代美術館蔵　©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013、工藤哲巳『あなたの肖像』1963年　高松市美術館蔵 撮影：高橋章 ©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013、工藤哲巳『愛』1964年 倉敷市立美術館蔵　©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013）

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