白水社が主催する『第58回岸田國士戯曲賞』を、飴屋法水の『ブルーシート』が受賞したことがわかった。
『ブルーシート』は、福島県立いわき総合高等学校の発表公演として制作された作品。昨年1月に飴屋の演出、福島県立いわき総合高等学校生徒の出演により、同校のグラウンドで2ステージだけ上演された。選考委員の野田秀樹は、「飴屋法水氏といわきの高校生との共同作業で生まれたこの戯曲は、実にわかり易いコトバで、彼らが出会った『死体』を鮮烈に描き、生きる意志を称えている。三・一一以降、様々な分野で震災を描いたものがあるが、これは最も瑞々しく、そしていつまでも残りうる表現だと思う」とコメントしている。
今回の候補作品には同作に加え、長田育恵(演劇ユニットてがみ座主宰)の『地を渡る舟』、小里清(フラジャイル主宰)の『国語の時間』、神里雄大(岡崎藝術座主宰)の『(飲めない人のための)ブラックコーヒー』、瀬戸山美咲(ミナモザ主宰)の『彼らの敵』、土橋淳志(A級MissingLink)の『或いは魂の止まり木』、西尾佳織(鳥公園主宰)の『カンロ』、山内ケンジ(城山羊の会主宰)の『効率の優先』の計8作品が名を連ねていた。選考委員は、岩松了、岡田利規、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、野田秀樹、松尾スズキ、松田正隆、宮沢章夫の7人。授賞式は、4月14日に東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で行われる。
(画像:飴屋法水)