写真家・桑原甲子雄の回顧展『桑原甲子雄の写真 トーキョー・スケッチ60年』が、4月19日から東京・世田谷美術館で開催される。
桑原甲子雄は、戦前期にアマチュア写真家として活動し、戦後は『カメラ』『サンケイカメラ』『写真批評』などの雑誌の編集長を歴任。1960年代半ば以降、初個展の開催や『東京昭和十一年』『東京長日』といった写真集の発売を通して、改めて写真家として脚光を浴びた。
桑原が約60年にわたり撮影したモノクロおよびカラープリントを紹介する同展では、二・二六事件当時の東京を捉えた戦前のシリーズ『東京昭和十一年』『夢の町』や、戦後のシリーズ『東京戦後』、『東京長日』、『東京暦日』、1990年代のカラー作品『午後の微笑』から選んだ約200点を展示。さらに、戦前の『世田谷ボロ市』を写した作品や、満州で撮影された戦中期の作品に加え、1978年に桑原が初めて訪れたパリを捉えたモノクロプリントとカラースライドも公開される。
なお、会期中は写真史家・金子隆一が桑原の写真作品と批評家としての仕事を語る講演会や、美術館で演劇を作るワークショップ『えんげきのえ』、俳優の斎藤晴彦が昭和11年の流行歌を歌うライブなどの関連イベントも開催される。
イベント情報
『桑原甲子雄の写真 トーキョー・スケッチ60年』
2014年4月19日(土)~6月8日(日)
会場:東京都 世田谷美術館 1階展示室
時間:10:00~18:00(最終入場は17:30)
休館日:月曜(ただし5月5日は開館、5月7日は休館)
料金:一般1,000円 65歳以上800円 大高生800円 中小学生500円
※障がい者の方は500円(介助の方1名まで無料)、大学生以下の障がい者の方は無料
(画像:『東京昭和十一年』より『麹町区馬場先門 二・二六事件当時(千代田区)』 1936年 ゼラチン・シルバー・プリント 世田谷美術館蔵、『東京昭和十一年』より『浅草公園六区(台東区浅草二丁目)』 1935年 ゼラチン・シルバー・プリント 世田谷美術館蔵、『世田谷ボロ市(世田谷区若林町)』 1936年 ゼラチン・シルバー・プリント 世田谷美術館蔵、『東京昭和十一年』より『浅草公園六区(台東区浅草二丁目)』 1937年 ゼラチン・シルバー・プリント 世田谷美術館蔵、『満州昭和十五年』より『寧安付近で』 1940年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵)