日本人洋画家が描いたチャイナドレスをテーマにした展覧会『描かれたチャイナドレス─藤島武二から梅原龍三郎まで』が、7月21日まで東京・京橋のブリヂストン美術館で開催されている。
芥川龍之介や谷崎潤一郎らが中国をテーマにした小説を発表した大正時代。交通手段の発達により渡航しやすくなったことから、美術の分野でも児島虎次郎や三岸好太郎といった画家が中国を訪れて題材を見つけたほか、藤島武二や岸田劉生らは日本で中国の服を着せた日本女性を描くなど中国趣味が盛んになったという。
同展では、ヨーロッパから学んだ油彩技法を用いて、東西文化の融合を目指した日本人洋画家たちによる表現の1つの到達点として、彼らによる中国服の女性像をモチーフにした作品約30点と同時代のチャイナドレス6点を展示。後に竹久夢二の作品のモデルになり、竹久の恋人にもなったお葉の横顔を藤島が描いた『女の横顔』をはじめ、児島虎次郎、久米民十郎、藤田嗣治、梅原龍三郎、安井曾太郎、小出楢重らの1910年代~40年代に制作された作品を紹介する。なお、同展はチャイナドレスや中国服を着て来館すると割引料金で入場することができる。
※記事掲載時から一部内容に変更がありました。
イベント情報
『描かれたチャイナドレス─藤島武二から梅原龍三郎まで』
2014年4月26日(土)~7月21日(月・祝)
会場:東京都 京橋 ブリヂストン美術館
時間:10:00~18:00(金曜は20:00まで)
休館日:月曜(7月7日、7月14日、祝日は開館)
料金:一般800円 65歳以上600円 大・高校生500円
※チャイナドレスや中国服を着用した来館者は団体料金で入場可
※中学生以下無料
※障害者手帳をお持ちの方と同伴者2名まで半額
土曜講座
『異国趣味とオリエンタリズム』
『「支那服の女」の誘惑―画家、そして知識人男性は《金蓉》に何を見たのか 』
2014年6月14日(土)14:00~16:00
会場:東京都 京橋 ブリヂストン美術館ホール
出演:池田忍(千葉大学教授)
定員:130名(先着順)
料金:400円
『「日本人」はアジアに何を見たのか?』
2014年6月21日(土)14:00~16:00
会場:東京都 京橋 ブリヂストン美術館ホール
出演:天野一夫(豊田市美術館チーフキュレイター)
定員:130名(先着順)
料金:400円
『藤島武二が描いた中国服の女性像』
2014年6月28日(土)14:00~16:00
会場:東京都 京橋 ブリヂストン美術館ホール
出演:児島薫(実践女子大学教授)
定員:130名(先着順)
料金:400円
『アジアを描いた日本の絵画―日本的なオリエンタリズムとは何か?』
2014年7月5日(土)14:00~16:00
会場:東京都 京橋 ブリヂストン美術館ホール
出演:西原大輔(広島大学教授)
定員:130名(先着順)
料金:400円
『「植民地絵画」の完成:偽「満州国」オリエンタリズム考』
2014年7月12日(土)14:00~16:00
会場:東京都 京橋 ブリヂストン美術館ホール
出演:稲賀繁美(国際日本文化研究センター教授)
定員:130名(先着順)
料金:400円
(画像上:藤島武二『女の横顔』1926-27年 ポーラ美術館蔵、画像中:藤島武二『匂い』1915年 東京国立近代美術館蔵、画像下:安井曾太郎『金蓉』1934年 東京国立近代美術館蔵 ※展示期間:6/10~7/21)