超小型カメラで絶海の生と死を撮影、黙示録的ドキュメンタリー『リヴァイアサン』

ルーシァン・キャステーヌ=テイラーとヴェレナ・パラヴェル監督によるドキュメンタリー映画『リヴァイアサン』が、8月中旬から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国で公開される。

キャステーヌ=テイラーとパラヴェルは共に人類学者としてアメリカ・ハーバード大学感覚人類学研究所に所属する映像作家。同作はかつて世界の捕鯨の中心地であり、捕鯨船の乗組員を主人公にしたハーマン・メルヴィルの海洋小説『白鯨』にインスピレーションを与えたという港町・ニューベッドフォードから出航する巨大な底引網漁船アテーナ号に乗り込み、仕事に従事する漁師や、カモメや魚などの生物を捉えた海洋ドキュメンタリーになっている。

同作は、伝統的なドキュメンタリーの手法を離れ、通常はエクストリームスポーツの選手の体に取り付けるなどして使用されるGoProの超小型カメラ11台を用いて撮影。監督自身や漁師の体だけでなく、網やロープ、死んだ魚などにカメラを取り付け、漁師、海、船の装置、海洋生物など現代商業漁業に関わるあらゆる要素を生々しく映し出している。荒れる波や、漁師に屠殺される海洋生物、魚の内臓をついばむカモメ、軋むクレーンや大きな音を立てるモーターなどの姿と音を通して、海の上の生と死や美と恐怖など黙示録的世界観が表現されているという。

作品情報

『リヴァイアサン』

2014年8月中旬からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督・撮影・編集・製作:
ルーシァン・キャステーヌ=テイラー
ヴェレナ・パラヴェル
配給:東風

(画像:映画『リヴァイアサン』より)

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