黒沢清監督の新作映画『岸辺の旅』が、2015年に全国で公開されることがわかった。
『トウキョウソナタ』『アカルイミライ』『Cure』などで知られる黒沢監督。『第8回ローマ映画祭』で最優秀監督賞に輝いた前田敦子主演の『Seventh Code』に続く長編作品となる同作では、湯本香樹実の同名小説をもとに、3年間失踪していた夫が突然戻ってきたことから始まる夫婦の旅を描いたラブストーリーを描く。
失踪期間中に世話になっていた人々を訪ねる旅に出る夫・優介役を浅野忠信、旅を通じてそれまで知らなかった夫の姿を知り、やがて深い愛を感じるようになる妻・瑞希役を深津絵里が演じる。浅野と深津が夫婦役を演じるのは今回が初めてとのこと。また、浅野が黒沢監督の作品に出演するのは『アカルイミライ』以来、深津は初の黒沢作品への出演となる。脚本は黒沢監督と、『ノン子36歳(家事手伝い)』『私の男』などで知られる宇治田隆史が共同で担当。
なお、同作はフランスでの公開もすでに決定しており、2015年に100から150館規模で上映される予定だという。
深津絵里のコメント
初めての黒沢組、浅野さんとの共演、ただただ楽しみです。監督の思い描く、独特な世界にどーんと飛び込みたいと思います。そして自分でも驚くほど似た者同士な浅野さんとの夫婦役。このステキなめぐり合わせを大切にして私たちなりの夫婦になれたらと思います。
浅野忠信のコメント
黒沢組には映画としては12年ぶりに参加させて頂きます。変わらない演出と今までとは違う、今の監督だけにある想いを感じていきたいです。そして、深津さんだけにしかない強烈な存在感を放っている、深津さんとの共演。普通の夫婦役とは違う距離感を保ちながら、深津さんに頼っていければ良いと思っています。
黒沢清監督のコメント
湯本香樹実さんの「岸辺の旅」を人に薦められて、まずは小説として大変面白く読みました。誰もが体験する、愛する人との別れについて描いている作品を、誰も見たことのないような映画にすることができるよう挑戦してみたいと思いました。現実味をもって「岸辺の旅」の世界のヒロインを演じられる方として、真っ先に深津絵里さんが浮かびました。また、特殊な設定の人物である夫役には、圧倒的な存在感が必要で、浅野忠信さんしかいないと思いました。何があっても揺らがない超人、深津絵里さん、揺らぎ続ける天才、浅野忠信さん、日本を代表するふたりの俳優とご一緒できてこの上ない幸せです。また、撮影前からフランスでの配給が決まったとのことで、嬉しく思います。普遍的なテーマを扱った作品ですので、国内外で多くの方に見ていただきたいと思っています。
作品情報
『岸辺の旅』
2015年に全国で公開
監督:黒沢清
脚本:宇治田隆史、黒沢清
原作:湯本香樹実『岸辺の旅』(文藝春秋)
出演:
深津絵里
浅野忠信
ほか
配給:ショウゲート