川村元気の新作絵本『ムーム』が、本日6月20日に刊行された。
1979年生まれの川村は、東宝で映画『電車男』『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』などのプロデュースに携わり、2011年には優れた映画製作者に与えられる『藤本賞』を史上最年少で受賞。2012年に小説『世界から猫が消えたなら』、2013年には絵本『ティニー ふうせんいぬ の ものがたり』を発表するなど、作家としても活動している。
『ムーム』は、物と持ち主との間に存在する「想い」のようなものが塊になった不思議な生き物「ムーム」と、ルミンという女の子の恋と別れを描いた作品。絵は木村カエラ“Sunshower”PVのイラストやeverlasting sproutのテキスタイルデザインなど、様々な分野で活動するイラストレーター・益子悠紀が担当している。
なお、同作をもとにした短編映画が製作されることも決定。映像制作は東京と仙台、ロンドンに拠点を置くビジュアルスタジオ「WOW」が担当し、2015年に公開される予定だ。なお、WOWが制作した絵本のプロモーション映像がYouTubeで公開されている。
川村元気のコメント
この物語は、僕が新しい財布を買ったときの体験が元になっています。ある日、新しい財布を買って、お金やカードを移しました。そして今まで使っていた財布をふと見たときに、なんだかその財布が小さくしぼんでしまって、とても悲しそうに見えました。毎日一緒にいて生き物のように触れていたのに、その姿はまるで死んでしまったかのようで・・・はっとしたのを覚えています。新しい手帳を買った時、新しい自転車を買った時、僕はいつもそういう気分にとらわれます。それはきっとモノと持ち主との間に、なにか「想い」みたいなものが生き物のようにいるからではないのか。そんなことをいつも思います。 このムームはそんな思い出が塊となったふしぎな生き物です。そして彼が出会うルミンという女の子もそうです。そんな二人が出会って、恋に落ちて、そして別れる。とても悲しいのだけれど、とても幸せに感じる物語を、書いてみたいと思いました。