柴田元幸訳の絵本『木に持ちあげられた家』が10月25日に刊行される。
同書は、『どこいったん』『くらやみこわいよ』などで知られる絵本作家ジョン・クラッセンが絵を手掛けた作品。一軒の家と木々、そこにかつて暮らしていた人々の物語を通して、自然の不思議さと力強さが描かれている。作者は『ピュリッツァー賞』詩作部門に輝くなど、現代のアメリカを代表する詩人の1人であるテッド・クーザー。
柴田元幸のコメント
これは絵本であって、絵があって言葉があるのだから、もちろんその絵や言葉が魅力的なことは言うまでもない。林は静かに美しいし、黙々と働く父の姿もひそやかな尊厳に貫かれ、人と自然の交わりを語る言葉も凛として心にしみる。だが、この絵本は、それに劣らず、描かれていないこと、書かれていないことによっても人を惹きつける。