北野武監督の新作映画『龍三と七人の子分たち』が、2015年4月25日から全国で公開されることがわかった。
北野監督にとって、2012年に公開された『アウトレイジ ビヨンド』以来の新作となる同作は、引退して冴えない日々を送る元ヤクザの「ジジイ」たちが主人公。元組長がオレオレ詐欺にひっかかったことをきっかけに、昔の仲間を呼び寄せて詐欺集団の若者を成敗しようと世直しに挑む姿を描く。
主人公の龍三親分を演じるのは、北野作品初出演となる藤竜也。龍三の7人の子分を、近藤正臣、中尾彬、小野寺昭、品川徹、樋浦勉、伊藤幸純、吉澤健が演じるほか、北野監督自身もビートたけし名義で出演している。また、音楽は鈴木慶一が手掛けている。
北野武監督のコメント
今回の作品はメインキャストが高齢なんで、作品の公開日までとにかく元気でいて欲しい。誰かの遺作になっちゃったりしないよう、皆さんの健康が心配でしょうがないね。でも、ローリング・ストーンズやポール・マッカートニーに象徴されるように、国際的にもジジイたちが大活躍している時代であることを、あらためて思い知れって若者たちに言いたいね。随所にギャグを散りばめ、コメディ・タッチに仕上げてあるから、世代を超えて楽しめる娯楽作品だな。笑ってくれればそれでいいよ。
森昌行プロデューサーのコメント
この作品のストーリーの背景となっているのは、高齢化を迎えた今日とこれからの日本社会。エピソードとして描かれているのは、オレオレ詐欺をはじめとする高齢者を巻き込む組織犯罪といった社会問題。ついに北野監督が初めて現代日本にメスを入れた社会派の映画を完成させた!?そんなわけないでしょ...
というわけで出来上がったのは、コメディ・タッチでありながらも哀愁も感じさせてくれ、そしてその絶妙のバランスに感動すら覚える北野武監督ならではの個性的で魅力あふれる新しい映像の世界です。
「ジジイ」がこれからの時代のキーワードであることも教えてくれる必見のエンターテイメント・ムービーです。藤竜也のコメント
オファーの話を初めて聞いたとき、監督ご本人とは面識もなかったので「出てくれ、出てくれ詐欺」かと思いましたね。僕も長い間、役者をやらせてもらっているので、現場では監督の意向やシーンの流れなど何となく見当がつくんだけど、北野監督はあまり指示を出さないので、自分のアンテナを鋭敏にしないといけないし、とても考えさせられました。ジジイたちにはボケ防止にちょうど良かったんじゃないかな。
毎年また、来年の桜の花を見られるようにと思って生きているので、来年は北野監督の作品と桜を一緒に観られるなんてとてもおめでたい気分です。
作品情報
『龍三と七人の子分たち』
2015年4月25日(土)から全国ロードショー
監督・脚本:北野武
音楽:鈴木慶一
出演:
藤竜也
近藤正臣
中尾彬
品川徹
樋浦勉
伊藤幸純
吉澤健
小野寺昭
配給:ワーナー・ブラザース映画、オフィス北野