D'Angeloのニューアルバム『Black Messiah』が、本日12月15日に配信リリースされた。
1995年にアルバム『Brown Sugar』でデビューし、2000年の『VooDoo』で『第43回グラミー賞』最優秀R&Bアルバムを受賞したD'Angelo。当時のR&Bやソウルの新しい潮流だった「ネオソウル」の中心的な存在として注目を集めた。
『Black Messiah』は、前作『VooDoo』以来、約14年11か月ぶりのオリジナルアルバム。アメリカの現地時間12月12日にリリースが発表され、12月14日にニューヨークでリスニングセッションが行われた。
同作は、Red Bullによる楽曲無料配信企画『20before15』で先行配信された“Sugah Daddy”をはじめとする12曲を収録。Q-Tip(A Tribe Called Quest)とケンドラ・フォスター(Funkadelic)がリリックを手掛けた楽曲も収められているほか、Questlove(The Roots)、ピノ・パラディーノ(John Mayer Trio)、ジェームス・ガッドソンらがレコーディングに参加しており、録音からミックスまでの工程ではヴィンテージ機材が用いられているという。D'Angeloは参加アーティストに敬意を表して「The Vanguards」と呼び、同作のプロジェクト名を「D'Angelo and The Vanguard」としている。
なお同作の輸入盤は12月23日から入荷開始予定。日本盤は2015年春にリリースされるとのこと。
D'Angeloのコメント
“ブラック・メサイア”は、アルバムに付けるものとしては、とんでもないタイトルだ。容易に誤解を招くであろうし、多くの人は宗教的な事を想像するだろう。人によっては俺が自分自身を“ブラック・メサイア=黒い救世主”と呼んでいるものと決めつけるかもしれない。だが、俺にとってこのタイトルは俺達みんなについての事を意味しているんだ。それはこの世界全体についての事でもあるし、俺達みんなが目指すことのできる考え方を示すものでもあるんだ。俺達は皆、“ブラック・メサイア”になれるように志すべきなんだ。それは、“ファーガソン”や、“エジプト”や、“ウォール街を占拠せよ”その他、これ以上我慢がしがたい状況に対して変化を求めるべく決起している全ての場所の全ての人々についての事なんだ。それは一人のカリスマ性のあるリーダーを称賛するということではなくて、大勢のそういった人々を讃えるということなんだ。このアルバムの全曲が政治的メッセージ色の強いものではないけれど(多くの曲がそうではあるけれども)、このアルバムを“ブラック・メサイア”と呼ぶことがこれらの曲が一番しっくりくる風景を作りだしている。“ブラック・メサイア”は一人の人を示すものではない。それはまとめると、俺達みんながそのリーダーなんだという感覚を示すものなんだ。