士郎正宗原作のアニメーション作品『攻殻機動隊ARISE』が、4月からテレビシリーズとして放映されることがわかった。
2013年から全4話が劇場公開された『攻殻機動隊ARISE』。TOKYO MX、BS11ほか全国で順次放送されるテレビ版のタイトルは、『攻殻機動隊ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE』となる。『ARISE』の全4話を前後編に再編集し、さらに初夏公開予定の映画『攻殻機動隊 新劇場版』に繋がる新作エピソード2話を加えた内容となり、各話の放送順はシリーズ構成の冲方丁による初期案にもとづいて再構成されるという。
『攻殻機動隊ARISE』は、凶悪犯罪を阻止する事を目的とした特殊部隊「攻殻機動隊」の創設と、これまでのシリーズ作品で謎に包まれていた全身サイボーグのヒロイン・草薙素子の物語を描いた作品。
総監督とキャラクターデザインは、映画『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』など数々の作品で作画監督を務めてきた黄瀬和哉が務めるほか、構成・脚本を冲方丁、音楽をCORNELIUS、アニメーション制作をProduction I.Gが担当している。
冲方丁のコメント
士郎先生の原作『攻殻機動隊』は掘れば掘るほど発見があります。国家が消えようとする直前の時期を題材にした舞台設定の秀逸さ。キャラクターの配置の巧みさ。サイボーグ&サイバーなデティクティブものというジャンルの魅力。四半世紀前に描かれた見事な原作を、博物館に眠る“古典”ではなく、現代の作品として映像化しなくてはならないという思いで今回の脚本に臨みました。そのためには素子たちメンバーの若き日を描く必要がありました。
『攻殻機動隊ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE』は昨年末までに劇場にて上映された「border:1」から「border:4」までを再構成し、新エピソードを加えた新たなTVシリーズです。TVというメディアの特性に合わせ、お馴染みのメンバーが揃っている「border:4」のエピソードから始まり、やがて公安9課へと参加するメンバーが何故集まったのかを解き明かします。そして最後の新作エピソードでは、“ファイア・スターター”に感染したウィルスの信奉者であるパイロマニアが草薙素子と対峙します。彼は“個”についての考え方が素子とまったく異なる存在です。
この作品に参加するにあたり、アクの強い9課のメンバーがなぜ素子に従うのかを考えました。彼らは素子が「混迷の時代における理想」を直感的に示していることをわかっているのだと思います。ネットで国家も個人も並列化が進む時代の中で、本作の素子は“個”というものにこだわります。その存在感が放つ光が人を惹きつけるのです。そして初夏に公開を控えた『新劇場版』は、その中心にいる素子の過去と内面にさらに迫った内容になっています。公安9課のメンバーが集まる過程を描いた『ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE』では、これから新たに『攻殻機動隊』という作品に触れる人のためにもよい流れが作れたと思います。また、従来のファンの方には、原作、映画、『S.A.C.』に続く第4の『攻殻機動隊』として楽しんでいただけるとうれしいです。
作品情報
『攻殻機動隊ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE』
2015年4月5日(日)からTOKYO MX、サンテレビ、KBS京都、テレビ愛知、4月7日(火)から北海道テレビ、4月8日(水)から仙台放送、4月9日(木)からTVQ九州放送、静岡放送、4月14日(火)からBS11で放送
総監督:黄瀬和哉
脚本・シリーズ構成:冲方丁
原作:士郎正宗
音楽:CORNELIUS
声の出演:
坂本真綾
塾一久
松田健一郎
新垣樽助
檀臣幸
中國卓郎
上田燿司
中井和哉
沢城みゆき
ほか
作品情報
『攻殻機動隊 新劇場版』
2015年初夏に公開
総監督:黄瀬和哉
監督:野村和也
脚本:冲方丁
原作:士郎正宗
音楽:CORNELIUS
声の出演:
坂本真綾
塾一久
松田健一郎
新垣樽助
咲野俊介
中國卓郎
上田燿司
中井和哉
沢城みゆき
配給:東宝映像事業部