劇団チョコレートケーキの新作『追憶のアリラン』、「支配の罪」を問われる日本人描く

2015.03.12 Thu

劇団チョコレートケーキの第25回公演『追憶のアリラン』が、4月9日から東京・池袋の東京芸術劇場シアターイーストで上演される。

劇団チョコレートケーキは、2000年に演出家兼俳優の日澤雄介を中心に結成。ナチスやあさま山荘事件、大逆事件などの社会的な事象にフィクションを織り交ぜながら、リアリティーのある硬質な人間ドラマを描いている。大正天皇の一代記を描いた第23回公演『治天ノ君』は、『第21回読売演劇大賞』選考委員特別賞に選ばれたほか、日澤が優秀演出家賞、同劇団所属の西尾友樹が優秀男優賞をそれぞれ受賞。2015年に発表された『第49回紀伊國屋演劇賞』では、劇団チョコレートケーキとして団体賞を受賞している。

『追憶のアリラン』は、同劇団の劇作家・古川健が、検察官として韓国の平壌に赴任した祖父の実体験を元に創作した作品。1945年8月に日本の統治から解放された朝鮮半島を舞台に、「支配の罪」で拘束され、裁かれる事になる日本人官僚と、朝鮮の人々の関わりが描かれる。

同作には、劇団チョコレートケーキに所属する、西尾友樹、岡本篤、浅井伸治が出演。宝塚歌劇団星組、雪組のトップ娘役を務めた月影瞳や、佐藤誓、俳優や声優としても知られる辻親八、大内厚雄（演劇集団キャラメルボックス）、永井若菜（ハイバイ）らが客演に名を連ねている。なお、4月15日の上演後には、アフタートークが行われる。