ラジウムガールズの被爆事件に迫る記録映画、Phewのライブ付き上映やトークショーも

ドキュメンタリー映画『ラジウム・シティ~文字盤と放射線・知らされなかった少女たち~』が、4月13日から東京・渋谷のアップリンクほか全国で順次公開される。

同作は、1910年から20年代にアメリカのラジウムダイアル社の工場で時計の文字盤に放射性の夜光塗料を塗るペインターとして働き、筆先をなめて尖らせるよう指導されたことから被爆した「ラジウムガールズ」と呼ばれる女性たちに光を当てた作品。取り壊された工場の建物の破片によって事件後もホットスポットが生み出されているイリノイ州オタワを舞台に、ラジウムガールズや家族、住民たちの証言を通して、知らない間に被爆し、その多くが亡くなった彼女たちの物語に迫る。

1987年の作品である同作の日本公開のきっかけとなったのは、Phew、小林エリカによる共同プロジェクト「Project UNDARK」が2012年に発表したアルバム『ラジウム・ガールズ 2011』。boid主宰の樋口泰人が、ディーター・メビウス(Cluster)がトラックを手掛け、後藤まりこ、アチコ(Rope、WUJA BIN BIN)らも参加した同作を手にし、映画の存在知ったことから公開に至ったという。

なお、アップリンクではPhewのライブ付き上映のほか、小林エリカ、ピーター・バラカン、大澤真幸らによるトークショーなども開催。イベントの詳細はオフィシャルサイトで順次発表される。

Phewのコメント

映画に出てくる、ショートボブにパンツルックの女の子たちの、パーマネントのあたった髪に洒落た帽子や靴、毛皮の襟巻きで着飾った女性たちの写真は、なんとなく思い描いていた質素な服装にひっつめた髪の女子工員というイメージからかけはなれていた。

小林エリカのコメント

かつて工場で働いた少女、その家族や生存者たちにインタビュー、その街に暮らす人々、街そのものに残されている目には見えない放射性物質。ただ淡々と丁寧かつ執拗な調査を積み上げてゆく手法と美しい映像のこの映画に、私は釘付けになった。

樋口泰人のコメント

2012年5月、Phewと小林エリカのふたりから届けられたアルバムの、「ラジウムガールズ」たちの物語に衝撃を受けた。聞けばそのアルバムの発想の元になった映画があるという。古いドキュメンタリーだった。だがそこに映る彼女たちは、まるで未来のわたしたちの姿のようでもあった。なんとしてでもこの映画を公開しなくてはと思った。そして3年が過ぎた。

作品情報

『ラジウム・シティ~文字盤と放射線・知らされなかった少女たち~』

2015年4月13日(月)から渋谷アップリンクほか全国で順次公開
監督:キャロル・ランガー
音楽:ティミー・カペロ
出演:
マリー・ロシター
エディス・ルーニー
ジェーン・ルーニー
ケン・リッキ
ジーン・ルーニー
シャーロット・ネビンス
マーサ・ハーツホーン
キャロル・トーマス
ジェームス・トーマス
ウェイン・ウィスブロック
ドン・ホール
ロッキー・レイクス
ボブ・レイクス
メアリー・オズランジ
スティーブン・オズランジ
ジャニス・キーシッグ
ジョアン・キーシッグ
環境汚染と闘う市民の会
ほか
配給:boid

イベント情報

Phewライブ&上映

2015年4月13日(月)19:00~22:00
会場:東京都 渋谷 アップリンク
料金:2,800円

イベント情報

トーク&上映

2015年4月18日(土)15:00~17:45
会場:東京都 渋谷 アップリンク
出演:
小林エリカ
松村正人
料金:2,000円

2015年4月28日(火)19:00~21:45
会場:東京都 渋谷 アップリンク
出演:
ピーター・バラカン
松村正人
料金:2,000円

2015年5月27日(水)19:00~21:45
会場:東京都 渋谷 アップリンク
出演:
大澤真幸
松村正人
料金:2,000円

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