映画『星ガ丘ワンダーランド』が、2016年に全国で公開される。
同作は、Google NEXUS7シリーズのCMなどで知られるCMディレクター・柳沢翔の初監督映画。25歳で撮影技師デビューを果たしたというカメラマンの今村圭佑とタッグを組み、オリジナルストーリーによる作品を作り上げた。
物語の主人公は、星ガ丘駅の落し物預り所で働く青年・瀬生温人。落とし物の持ち主を想像して名札の裏に似顔絵を描くことを日課にしている温人のもとに、幼い頃に自分を捨てた母が自殺したという報せが届いたことから、温人の知らなかった事実や過去が明らかになっていく、というストーリーだ。
主人公の温人を演じるのは、映画『やるっきゃ騎士』『海月姫』やドラマ『アオイホノオ』『REPLAY&DESTROY』などで知られる中村倫也。温人の母の再婚相手の連れ子・清川七海役を佐々木希、温人が幼い頃に家を出た母の爽子役を木村佳乃が演じる。さらに、温人と疎遠になっている兄の哲人役に新井浩文、爽子と再婚相手の間に出来た子ども・清川雄哉役に菅田将暉、爽子の自殺を不審に思い、捜査を行う刑事・大林津奈子役に杏、ごみ集積所で働く温人の友人・楠仁吾役に市原隼人、温人と哲人の父・瀬生藤二役に松重豊がキャスティングされている。
木村は主演の中村について、「中村くんは若い時から共演させて頂く機会があり、とてもいい役者さんだと思っていました。なので、彼が主演する作品でオファーが来た時には二つ返事で引き受けました」とコメント。
また、柳沢監督は初の映画演出について、「一言で言うと、とても大変でした。心が休まる瞬間は、完成するまで一瞬もありませんでした。でも初号で、キャスト、スタッフの皆さんと一緒に初めてスクリーンで映像を見た時、全てが吹っ飛びました。ああ、なんて贅沢なんだと。皆が一丸となってひとつのものを作り上げ、大きい画面で共に鑑賞する。それをお客さん達に届ける。こんな夢の様な仕事は無いなと。そして、それが良い作品になるなら、その為ならなんだってやろう。そう感じました」と語っている。
中村倫也のコメント
この作品は、とある家族の話です。
止まっていた時計が動き出すように、グラスに入れた氷が溶け出すように、ひとつの出来事をきっかけに、この物語は始まります。
青年はどこに辿り着くのか。青年の『家族』は何処に在るのか。
このとてもデリケートな役を、沢山の人に支えられながら、壊れないように壊れないように運ぶことができました。
魅力的で精力的なスタッフ、キャスト、事務所の仲間達と共に、この美しい物語を創ることができて、とても嬉しく思っております。
こういうことを言うのは照れ臭いのであまり言わないのですが、それこそ『家族』と思える現場でした。
星ガ丘ワンダーランド、皆様是非、ご期待下さい。佐々木希のコメント
今回、素敵な皆さんと共に作品作りに参加する事が出来、大変嬉しく思っています。
主演の中村さんは本当に尊敬する先輩でとても優しい方です。
何度も共演させていただいていますが、いつもお芝居に関してアドバイスをくださるので、ひとつひとつ吸収していきたいです。今回の作品も一緒にお芝居をさせていただいて、沢山勉強させて頂きました。
中村さんと二人で歩いているシーンの撮影は夜の屋外で行われたのですが、気温0度を下回る寒い日で、寒くないかと私のことを何度も気遣ってくださいました。
出来上がった作品を拝見して、スタッフ、キャストが一丸となって丁寧に丁寧に作った作品だなと改めて思いましたし、中村さんの目のお芝居が引き込まれるようでとても印象的でした。懐かしさを感じられる温かみのある綺麗な映像に心を奪われ、深い愛情故の衝撃のラストにきっと驚くと思います。柳沢翔監督のコメント
母への想いに囚われている男が小さな一歩を踏み出す、その瞬間を切り取った物語です。
家族に限らず、想うがゆえに迷い道に入ってしまう事は誰にでもある事だと思います。
それがほどけていく過程を、押し付けないように、寄り添うように描いたつもりです。
彷徨うハルトがみる白昼夢を、雪景色を、一緒に感じて頂けたら幸いです。
※記事掲載時、タイトルの表記内容に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
作品情報
『星ガ丘ワンダーランド』
2016年に全国公開
監督:柳沢翔
脚本:前田こうこ、柳沢翔
出演:
中村倫也
新井浩文
佐々木希
菅田将暉
杏
市原隼人
木村佳乃
松重豊
配給:ファントム・フィルム