リーディング公演『HAKUTO~白兎(しろうさぎ)~』が、10月10日から東京・銀座の博品館劇場で上演される。
同公演は、ラジオパーソナリティーの吉田照美が、日本神話『因幡の白兎』に着想を得て長年温めていた企画をもとにした朗読劇。演出は吉田と旧知の間柄だという鴻上尚史が手掛け、フラメンコダンスのパフォーマンスやギターの生演奏などを盛り込んだ内容になるという。朗読を担当するのは、吉田自身に加えて、ダブルキャストとなる中山美穂と中村メイコ。脚本は劇団あおきりみかんの鹿目由紀が手掛ける。チケットは本日9月12日から販売中。
吉田照美のコメント
僕自身、2011年に、還暦を迎え、その年の3月11日に、あの東日本大震災を経験しました。一度、お伊勢参りをという思いがあり、伊勢神宮に出掛け、去年、その流れで、出雲大社にもお参りに行きました。そこで、久しぶりにというか、少年時代によく聞かされた話、「因幡の白兎」の神話に出会いました。白兎は、悪戯心から、ワニザメの怒りを買い、身体の毛皮を剥がされてしまいます。心ない人からは、より痛みの伴う治療法を教えられ、より苦しまされます。そこへ、国造りの神様、大国主命(大黒様)が通りかかり、正しい治療法を教えてもらい、白兎は救われます。その時、今の国造りをされている方と国民との関係というものを比較する自分がいました。
この神話には、やはり、今の時代にも通じる、とても深いものがあると感じ、鴻上尚史さんに相談して、今回の公演という形で、結実出来ることになりました。中村メイコのコメント
吉田照美さんからの今回の企画書を拝見して、「奇遇だなぁ」というか、思い出すことがありました。私は2才8ヶ月で「江戸っ子 健ちゃん」という映画で、角帽をかぶった「フクちゃん」役でデビューしたのですが、その劇中で、フクちゃんが皆の前で「因幡の白兎」を一席ぶつ、というシーンがあるんです。まだおしめも取れていない頃なのに、カメラの前で「オオクニヌシノミコトハネ?」なんて朗々としゃべってるんです(笑)。それを3カメくらいの長廻しで撮ってくださっていて。今時分になってまた「因幡の白兎」に作品として触れると思うとご縁を感じます。
朗読劇は、夫(神津善行氏)のオーケストラやN響さんとご一緒したり、これまで何本か出演しているのですが、久しぶりになります。台詞と音楽が折り重なってとても楽しかった思い出があります。演出の鴻上さんは、以前からファンでして、今回も面白いものなるといいな、と思っています。中山美穂のコメント
デビュー当初から公私共にお世話になっている吉田照美さんと、この様なかたちでお仕事させて頂ける事になり大変嬉しく思います。
朗読劇は私にとって初めての経験ですが、吉田さんの足を引っ張らない様、精一杯頑張りたいと思います。鴻上尚史のコメント
そんなわけで、吉田照美さんの熱意に背中をどぉーんと押されて、リーディング公演を行うことになりました。『因幡の白兎』について熱く語る照美さんの話を聞きながら、「これはぜひ多くの人に見てもらう作品にしなければ」と思っています。
「言葉の魔術師」である吉田照美さんの相手役には、これまた「七色の声」を持つ大ベテラン、中村メイコさんと、確かな演技力の中山美穂さんです。また脚本は、若手の実力派、鹿目由紀さんにお願いしました。
フラメンコの屋良有子さんにも踊っていただいて、素敵なリーディング公演になると思います。
イベント情報
『HAKUTO~白兎(しろうさぎ)~』
2015年10月10日(土)~10月12日(月・祝)全6公演
会場:東京都 銀座 博品館劇場
企画:吉田照美
演出:鴻上尚史
脚本:鹿目由紀
出演:
吉田照美
中村メイコ
中山美穂
フラメンコ:屋良有子
料金:7,500円
※中村メイコと中山美穂はダブルキャスト