『日産アートアワード2015』のグランプリ受賞者が発表された。
日産自動車が主催する『日産アートアワード』は、日本の現代美術の軌跡を後世に残し、人々がアートに親しむ社会作りを目的に2013年から隔年で開催されているアートアワード。過去2年間に活躍したアーティストの中から候補者を選出し、作品展示や最終審査を経てグランプリ受賞者を決定する。初開催の2013年には宮永愛子がグランプリに輝いた。
7人のファイナリストの中から『日産アートアワード2015』のグランプリに輝いたのは、日用品と機会を再構成したインスタレーションなどを発表している毛利悠子。オーディエンス賞には久門剛史が選出された。なお、毛利には賞金300万円、2か月間にわたるロンドン滞在の機会、副賞のトロフィーが贈呈される。
グランプリ受賞を受けて毛利は「これまで自分が考えていた『何をアーティストとしてやるべきなのか』が伝わった気がして非常に嬉しく感じます。ロンドンは現代アートが盛んで、アーティストが発表する場も多いと思います。その中で自分の表現や取り組みをどう伝えていくかを、考えるきっかけになればと思います」とコメント。
審査委員長の南條史生は「毛利悠子さんの新作は、そのルーツを駅の水漏れという『社会の現場』に置きながら、マルセル・デュシャンの引用や、時間、音の導入など、多様なメディアやコンテンツを含んだ作品に昇華させ、作者自身の新たな境地を感じさせるものでした」と評価している。なおファイナリスト7人の新作を展示する『日産アートアワード2015展覧会』が12月27日まで神奈川・横浜のBankART Studio NYKで開催中だ。
イベント情報
『日産アートアワード2015展覧会』
2015年11月14日(土)~12月27日(日)
会場:神奈川県 横浜 BankART Studio NYK
時間:11:00~19:00
参加アーティスト:
秋山さやか
久門剛史
石田尚志
岩崎貴宏
ミヤギフトシ
毛利悠子
米田知子
料金:無料