舞台『真田十勇士』が映画化され、9月に全国で公開。あわせて同月から東京・初台の新国立劇場中劇場で再演されることがわかった。
舞台『真田十勇士』は戦国時代末期から江戸時代にかけて真田幸村に仕えた10人の家臣「真田十勇士」をモチーフに据え、2014年に初演された作品。堤幸彦が演出、マキノノゾミが脚本を手掛け、主演を中村勘九郎が務めた。
映画版で幸村を「真の武将」に仕立てあげる十勇士の中心的存在・猿飛佐助役を演じるのは、舞台版の初演時と同様に中村勘九郎。佐助と共に十勇士を支える霧隠才蔵役を舞台版に引き続き松坂桃李が演じる。また佐助と才蔵の幼馴染で、2人を翻弄する忍びの火垂役には大島優子がキャスティングされている。再演の舞台版でも佐助役は中村勘九郎が演じ、そのほかのキャストは後日発表される。
映画版の監督および舞台版の演出を手掛けるのは、初演の演出を担当した堤幸彦。脚本は両作ともにマキノノゾミが担当する。なお『真田十勇士』は映画の公開と同時期に小説化もされる予定だ。
中村は『真田十勇士』の映画化について「舞台初演時は、こんなにビッグ・プロジェクトになるとはつゆとも想像しておりませんでしたが、近年稀に見る壮大な映画になりそうで、これは心してやらなければならないと身が引き締まる思いです」とコメント。また「仕掛けのハデな最高のエンターテインメント作品であり、壮大な歴史ロマンであり、さらには、ラストの大どんでん返しに至るまでに、マキノノゾミさんが巧妙に隠した伏線を楽しめるミステリー要素もあって、とにかくいろいろな要素がつまった映画になりそうです」と期待を表している。
松坂は「(昨年の)舞台の時、お客様がたくさん笑って幸せな気持ちで帰ってくださった空気が、今回の映画でもしっかり受け継がれていると思います。劇場に来たお客様と同じことを映画を見たお客様にも感じていただけるように、最高のエンターテインメント時代劇を作っていきたいです」とコメント。
大島は台本を読んだ印象について「時代劇に出演するのは初めてなのですが、お姫様役ではなくて、“くの一”という忍者の役柄だったことが、自分にはぴったりだなと思いました。台本を読んで“嘘はつき通せばホントになる”というテーマを面白く感じましたし、なによりも、猿飛佐助役の中村勘九郎さんがどんなふうに物語を引っ掻き回すんだろうということに興味津々です」と語っている。
堤幸彦監督のコメント
稀に見る大スケールの時代劇『真田十勇士』は、昨年(2014年)、私が演出した同名の舞台の映画化です。舞台公演の折りには、お客さんが大熱狂、盛り上がりに盛り上がりました。ぜひまた会おうと再会を誓い合った十勇士たちが、決意も新たに再演に向かって走り出したところに、映画化の企画が加わりまして、舞台と映画をほぼ同時に行うというものすごいイベントになることでしょう。
現在撮影中ですが、とにかくセットがすごい。監督の私すらセットの端から端まで全部見渡すことができないほどで、城の柱や梁を山から切り出して作った本格派、天井裏も作ってあって、そこを忍者が縦横無尽に走り回ります。ロケも広大な敷地を借りて行います。
主役は、ご存知、中村勘九郎さん。猿飛佐助をやらせたら、この人しかいないんじゃないかというほどのすごい身体能力で、舞台そして映画で縦横無尽に暴れ回ります。そして、松坂桃李くん。いまや、イケメンの代表格みたいになっている彼が、謎を秘めた忍者・霧隠才蔵を演じます。女忍者・火垂に大島優子さん。実は彼女はアクションが得意、今回、彼女のもてる力を全部出し切って闘ってくれるはずです。
また、すばらしい音楽やハリウッドに負けないCGをご用意している上、テーマソングも大物が決定しております。まさに盆暮れ正月がいっぺんに来たような、そんな娯楽大作に致しますので、どうぞご期待ください。
作品情報
『真田十勇士』
2016年9月から全国公開
監督:堤幸彦
脚本:マキノノゾミ
出演:
中村勘九郎
松坂桃李
大島優子
ほか
配給:松竹・日活
イベント情報
『真田十勇士』
2016年9月
会場:東京都 初台 新国立劇場 中劇場
演出:堤幸彦
脚本:マキノノゾミ
出演:
中村勘九郎
ほか
※10月に神奈川芸術劇場、兵庫県立芸術文化センターで上演
書籍情報
『真田十勇士』
2016年夏発売
発行:小学館