KOKAMI@networkの新作『イントレランスの祭』が、4月9日から東京・新宿の全労済ホール/スペース・ゼロ、4月22日から大阪・シアターBRAVA!、4月30日から東京・大手町のよみうり大手町ホールで上演される。
KOKAMI@networkは作家・演出家の鴻上尚史が、様々な俳優と演劇作品を作り上げるユニット。
2012年に鴻上が率いる「虚構の劇団」によって上演された『イントレランスの祭』は、580万人の宇宙人が難民として地球に逃げ込み、25万人の宇宙人を受け入れた日本が舞台の作品。売れないアーティストの佐渡健吾が、ある日恋人から自分は宇宙人だと告白されるというあらすじだ。
今回の出演者には、健吾役を演じる風間俊介をはじめ、岡本玲、久ヶ沢徹、早織、福田転球、藤田記子、三上陽永、田村健太郎、大高洋夫が名を連ねている。チケットの一般発売は3月12日10:00からスタートする。
鴻上尚史のコメント
どんどん、世の中がギスギスしていくような感じがあります。自分自身も余裕がなくなっていく気持ちになります。電車が駅に着いても、動かないままドア付近で他の乗客をブロックしている人を見ると、無意識に苛立っている自分を発見します。どんどん、世の中が「不寛容」になっていると感じます。そんな時、一冊の本『ネットと愛国』(講談社文庫 安田浩一著)に刺激を受けて、作品を書き上げました。2012年、『虚構の劇団』の第8回公演となりました。4年たって、時代はますます、不寛容になっていると感じます。それは、他人事ではなく、自分自身の問題でもあります。
どうして不寛容になってしまうのか。どうして差別してしまうのか。どうして憎むのか。どうして愛するのか。人間の心の動きと世の中の動きを、深刻にではなく面白く、重くではなく軽やかに、悲しくではなく笑える形で追及し、描きたいと思います。 どうしようもない差別をするのも人間なら、その差別に怒り、戦うのも人間で、その人間の絶望と希望が表現できればいいなと思うのです。
今回、じつに魅力的なキャストに出演してもらうことができました。風間俊介さんは『ベター・ハーフ』でその上手さに唸りました。岡本玲さんは抜群の実力のある若手女優です。早織さんはチャーミングで、期待の若手達と共に、頼もしいベテランの方々の演技が楽しみです。『第三舞台』の作品を、『虚構の劇団』で上演したことはありましたが、『虚構の劇団』の作品を鴻上ネットワークで上演するのは初めての試みです。まったく新しい『イントレランスの祭』になると確信しています。ご期待下さい。