『第69回カンヌ国際映画祭』コンペティション部門の受賞結果が発表された。
最高賞にあたるパルムドールに選出されたのは、イギリス・ニューカッスルを舞台に、病気のために行政の援助が必要となった建具屋の男を主人公にしたケン・ローチ監督の『I, Daniel Blake(原題)』。グランプリには、マリオン・コティアール、レア・セドゥらが出演したグザヴィエ・ドラン監督作『It's Only The End Of The World(原題)』が選ばれた。
監督賞は、『BACALAUREAT(原題)』のクリスチャン・ムンジウと、『PERSONAL SHOPPER(原題)』のオリヴィエ・アサイヤスが受賞。脚本賞には『FORUSHANDE(原題)』のアスガル・ファルハーディー、審査員賞にはアンドレア・アーノルド監督の『AMERICAN HONEY(原題)』が選出された。また主演女優賞はブリランテ・メンドーサ監督の『MA' ROSA(原題)』に出演したジャクリン・ホセ、主演男優賞は『FORUSHANDE(原題)』のシャハブ・ホセイニが受賞している。
授賞式は現地時間の5月22日に開催。審査委員長は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のジョージ・ミラー監督が務めた。グランプリを受賞したドランは、「僕たちがこの世で求める唯一のことは、愛し、愛されることです。特に僕は、愛されたい欲求が強いのだと思います。自分が成長し、演出を追求するにつれ、理解されることが難しくなったように感じていました。でも、今日、僕は自分がなにものなのか?をようやく理解できました」と涙ながらに喜びを語った。
なお同映画祭「ある視点」部門では、審査員賞に深田晃司監督、浅野忠信主演の『淵に立つ』、特別賞にスタジオジブリがヨーロッパのWild Bunch社と共に製作したアニメーション映画『レッドタートル ある島の物語』が選出されている。