映画『うつろいの標本箱』が10月下旬から東京・渋谷のユーロスペースで公開される。
黒木渚の2014年のアルバム『標本箱』をモチーフにした同作。それぞれ誰かを想う6人の女性と9人の男性のすれ違う日常を描く。
メガホンを取ったのは『過ぐる日のやまねこ』『くじらのまち』といった作品を発表している鶴岡慧子。鶴岡監督は『標本箱』の楽曲からインスピレーションを受けて脚本を執筆し、歌詞に登場する女性の強さや想いを6人の登場人物に重ねて描いたという。主演を務めるのは、7月10日をもってゆるめるモ!を脱退した「もね」こと櫻木百。
黒木渚のコメント
映画『うつろいの標本箱』を楽しませて頂きました。
私が2014年に出したアルバム『標本箱』に収録されている曲が、作品の至るところに散りばめられていました。
自分の創作作品が、私自身の範疇を超えて他分野のクリエイターの作品に繋がるというのはとても嬉しいことです。本当にありがとうございます。
映像と音楽の掛け合わせで、皆様の心に素敵な解釈が産まれますように。鶴岡慧子監督のコメント
黒木渚さんのライブを聴きに行き、細い身体・長い手足の全部をつかって歌う彼女の姿を見て、決して特別であろうとしない、恥ずかしさやかっこ悪さも全てひっくるめた「そのもの」を肯定しようとする、そんな姿勢に感銘を受けて私なりに紡いだのが『うつろいの標本箱』です。決して特別な日々を生きているわけではない人物たちが、どこかでただすれ違ったり、すれ違う中で出会ったり、それが最後だとは知らずにすれ違ったりする、そんな日々の暮らしに当たり前にある瞬間を、15人の俳優たちと描いてみようと試みました。