山田洋次監督による映画『家族はつらいよ』の続編の製作が発表された。
3月に公開された『家族はつらいよ』は、「家族」をテーマにした作品。頑固親父の平田周造役を橋爪功、妻・富子役を吉行和子が演じたほか、平田家の長男夫婦役を西村雅彦と夏川結衣、長女夫婦役を中嶋朋子と林家正蔵、次男カップル役を妻夫木聡と蒼井優が演じた。
続編となる『家族はつらいよII(仮)』では、周造と富子の離婚騒動から数年後の平田家を描く。テーマは「無縁社会」になるという。撮影は8月6日からスタートし、9月下旬にクランクアップを予定。2017年初夏に全国公開される見込みだ。
なお前作『家族はつらいよ』のBlu-rayおよびDVDが本日8月3日にリリース。初回生産限定盤はBlu-rayとDVDのセットに加えて、メイキング映像、舞台挨拶などのイベント映像を収めた特典ディスクが付属する。詳細は『家族はつらいよ』のオフィシャルサイトで確認しよう。
山田洋次監督のコメント
40年以上も前になるけれども、新宿の映画館で『男はつらいよ』第1作を、観客が大きな声を出して笑っていたのを昨日のことのように覚えています。「もっともっと作ってくれ、俺たちまだまだ観てやるからな」という声がそのとき、お客さんから聞こえたような気がしました。そして前作『家族はつらいよ』を観たたくさんの方から「面白かった、これはシリーズになりますね」と言って頂きました。それは『男はつらいよ』をつくった時と同じでした。今回もそんな声に後押しされるような気持ちで作ろうと思います。
前回は“熟年離婚”がテーマでしたが、今回のテーマは、“無縁社会”です。
平田家の家族はしょっちゅう喧嘩をするし、家族なんて面倒臭いなぁと思っているんだけども、ある登場人物の悲しい人生、昔は格好良くて、女の子からもモテ、一生懸命働き、順調だったはずの男が、バブルの時代を越えて、どんどん生活が苦しくなり、滑り台を滑るように最後まで行ってしまう、そんな悲しい「死」を目の当たりにすることで、自分たちの幸せに改めて気づき、家族が新たな絆を作っていく、そんなお話です。
喜劇映画では「死」を描くことはタブーだけれども、あえてそのタブーに挑み、その「死」がもたらす、滑稽でバカバカしい大騒ぎを丁寧に描いてみようと思います。
観客は笑いながら、大笑いしながら、格差社会の重苦しさにもふと思いを馳せてくれればいいなと思います。
笑える映画を作ることは昔からのぼくの夢です。笑って笑ってシャツのボタンがちぎれてしまうような、そんな映画こそ作りたいんです。