映画『トマトのしずく』が2017年1月14日から東京・渋谷シネパレスほか全国で順次公開される。
結婚を控えた娘と、疎遠だった父との軋轢や葛藤などを描く『トマトのしずく』。幼い頃に母を亡くし、父子家庭で育った娘・さくら役を小西真奈美、不器用で口下手な父・辰夫役を石橋蓮司、さくらの夫になる真役を吉沢悠が演じるほか、原日出子、角替和枝、柄本時生らがキャストに名を連ねている。
メガホンを取ったのは『捨てがたき人々』『木屋町DARUMA』の榊英雄監督。同監督の妻・榊いずみが音楽と主題歌を担当している。なお同作は2012年に製作され、劇場公開されていない映画を集めた上映イベント『お蔵出し映画祭2015』でグランプリと観客賞を受賞している。
小西真奈美のコメント
主人公のさくらは、しっかり者な面、少女のようなまっすぐな面、頑固な一面、、、
色んな喜怒哀楽を愛らしく持ってる女性のような気がしたので、くるくる変わる表情や、静かな中に持ってる熱い想いを丁寧に出せたら。と思いながら演じました。
『親子』という近い関係性だからこそ遠くなってしまう心の距離を放っておくのではなくて、やっぱり一番近い人たちを大切にして生きていきたい。と思わせてくれる作品になっていると思います。吉沢悠のコメント
家族、特に父と娘のお互いで抱えている気持ちが切なくて、誰にでも起こり得るストーリーが共感できました。
役柄として、自分の妻とそのお父さんを橋渡しするような立ち位置にいますが、僕は妻の味方として、彼女の人としての大切なものを諦めて欲しくない。という真の想いを表現できたらな、と演じていました。
身近な存在だからこそ、素直になれなかったりすることがある不思議な存在なのが家族。
だからこそ、自分自身とも向き合わざるを得ませんし、最後には愛があるからの行動と気づかせてくれるのも家族なのかなと思います。
そのようなことが「トマトのしずく」には描かれています。石橋蓮司のコメント
榊さんは役者仲間として知っておりましたが、7年も前のこと、突然「映画の監督をやるので出演してもらえないか」と依頼があり、榊さんの新たな挑戦なので、引き受けさせてもらいました。
役柄も、娘と男親との葛藤を描く作品で、自分にも同じ年頃の娘がおりますので、父娘の、互いに愛情を持ちながらも微妙な距離感が演じられればと思っておりました。榊英雄監督のコメント
映画『トマトのしずく』は、私にとって我が子の様に愛おしい作品です。完成まで時間をかけ、手作りで創った映画です。
家族という普遍的な題材を自分なりに描きました。
また、『トマトのしずく』の撮影前年に父が亡くなり、私なりに父へのメッセージも込めて撮影しました。
製作会社ファミリーツリーを設立し、そして初めて製作企画、脚本も担当し、妻・榊いずみが、劇伴と主題歌を担当、文字通り、榊家で創った家族の映画です。小さな小さな世界の小さな愛のお話です。