『ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー映画祭2016』が9月22日から東京・御茶ノ水のアテネ・フランセ文化センターで開催される。
1982年に37歳で死去したライナー・ヴェルナー・ファスビンダー。ニュージャーマンシネマを代表する映画作家として40本以上の作品を発表したほか、演劇分野でも活動し、戯曲『ゴミ、都市そして死』の作者としても知られている。
同イベントは9月22日からの第1部、10月10日および10月13日から15日までの第2部の2部構成で開催。『デスペア~光明への旅』など、1973年から1979年にかけて制作されたファスビンダー監督による劇映画6本を紹介するほか、国際舞台フェスティバル『テアター・デア・ヴェルト』の様子を捉えた記録映画『シアター・イン・トランス』と、ファスビンダーの友人だったクリスチャン・ブラード・トムセン監督によるドキュメンタリー『ファスビンダー 無償の愛を求めて』が日本で初めて上映される。
なお期間中には中原昌也、真魚八重子がそれぞれドイツ映画研究者の渋谷哲也と対談するイベントも予定されている。詳細はアテネ・フランセ文化センターのウェブサイトをチェックしよう。
渋谷哲也のコメント
この世界は模造にすぎない! そう叫ぶ作家たちは数多くいた。だがその理念を徹底的に展開できたのはファスビンダーだけだと主張したい。我々の生きる世界の秩序も歴史も民主主義も愛もすべて仮構であり、しかも我々はこの世界に絡め取られ、逃れることができない。その矛盾に全身で向き合ったファスビンダーは37歳で砕け散るように世を去ったがその真実の破片は各作品に封じ込められている。これほど強烈かつ根本的な人生の手引書は他にあるまい。