「服従の心理」を実証、ミルグラム博士と実験描く『アイヒマンの後継者』

2016.10.19 Wed

映画『アイヒマンの後継者ミルグラム博士の恐るべき告発』が、2017年2月から東京・新宿シネマカリテほか全国で順次公開される。

同作は、ナチス・ドイツの戦犯アドルフ・アイヒマンの裁判が行なわれた1961年に、「なぜ、どのようにホロコーストが起きたのか」「人間はなぜ権威へ服従してしまうのか」を実証するための実験「アイヒマン実験」を行なったイェール大学の社会心理学者スタンレー・ミルグラムを描く作品。電気ショックを用いたミルグラムの実験の結果、人は権力への服従を避けられず、残虐な行為を行なってしまうことが判明した。

ハンナ・アーレントが提唱した「悪の凡庸さ」を科学的に実証し、社会に大きな影響を与えたミルグラム博士役を演じるのは、『ブラック・スキャンダル』『マグニフィセント・セブン』などに出演しているピーター・サースガード。ミルグラムの妻役をウィノナ・ライダーが演じるほか、ジョン・レグイザモや6月に逝去したアントン・イェルチンもキャストに名を連ねる。監督を務めたのは『ハムレット』『アナーキー』のマイケル・アルメレイダ。